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ギターの練習を嫌だと思うのはある意味正しい


八幡謙介ギター教室in横浜

僕はギター講師という職業柄、練習について常に考えています。

内容はもちろんですが、年々練習に取り組む際の精神について考えるようになりました。

人間は複雑なので、練習にあたって精神はいかようにも変化します。

今回はざっくりと、練習が楽しいと感じるか、嫌だと感じるかで分けて考えてみたいと思います。

 

単純に捉えると、練習を楽しいと思える人の方が上達しそうですよね。

楽しければ何時間でも練習できますし、長時間練習すればそれなりに上達するのは当たり前です。

ですから、どうにかして練習を楽しめるように内容を工夫したり、メンタルセットを行おうとします。

そういったことができる人を「向いている」と言ったりもします。

一方で、練習が嫌い、楽しくないと感じる人もいます。

こういう人は練習時間も必然的に減ってくるし、上達の見込みも薄いと言わざるを得ません。

こちらのタイプは「向いてない」と思われても仕方ありません。

 

ただ、見方を変えればこれが完全に逆転します。

例えば練習が楽しい人。

本来苦しいはずのことを「楽しい」と感じている場合、その練習内容をきちんと理解できていない可能性があります。

幸か不幸か、大事な部分(だからこそ練習することが苦しい)を自分に都合の良いようにアレンジする能力に長けているおかげで、練習の質自体が下がってしまい、そのおかげで練習が楽になって楽しめるというタイプ。

こういう人はわりとよくいます。

そして、こういう人はあるレベルまで到達すれば頭打ちとなって、そこからは上達しません。

なぜなら、練習の本質を自ら中抜きしているからです。

また、単純に自分が楽しいと思えることしか練習しない人もいます。

そうなると技術が偏ってしまいます。

 

一方、練習が苦しい、辛い、だから嫌だと感じる人。

こういう人は、わりと練習内容の本質をちゃんと理解できています。

だからその苦しさ、辛さをモロに感じてしまい、できればやりたくないなーと思います。

その分モチベーションは下がるし、練習も長時間はできませんが、練習の本質はきちんと捉えられていることが多いです。

そうなるとあとは本人の忍耐力の問題です。

嫌がりながらもなんとか続けていれば上達していくことが多いです。

 

どんな練習でも、本当に意義があり、効果的なものはだいたい辛くて苦しく、やっていてみじめなものです。

だから嫌に決まっています。

それを嫌だと感じるのは当たり前なので、向いてないとか才能がないとは僕は思いません。

むしろ物事を正しく認識できており、またそれに対する自分の感情に素直な証拠です。

あとはその嫌なこと(でも効果的なこと)をどうにかやっていく忍耐力があるかどうかです。

 

ここまで考えると、様々なジャンルのトッププロが実は練習嫌いだというエピソードも理解できるようになります。

ある世界的ピアニストは練習嫌いで有名で、1日最長で90分程度しか練習しないとか。

恐らくその人は練習の本質を的確に理解し、高い集中力でそれをこなしているのでしょう。

だから最長90分しか持たないんだと思います。

その代わり、練習の密度は恐ろしく濃いものとなっているのでしょう。

人はしんどいことに本能的に嫌悪感を持っているので、そうした密度の濃い練習を「嫌だ」と思うのは当たり前のことです。

 

練習が楽しくて仕方ない、何時間でも弾いていられるという人は、一度立ち止まってその練習の中身や、自分がどれだけ上達しているかをじっくり考えてみましょう。

冷静に考えたら何も上達していない、何も変わってないという場合は、練習の中身が抜けている可能性があります。

逆に練習が嫌で嫌で仕方ない、そういう自分が情けないという人は、むしろ自分が本質を捉えてちゃんと練習できているということを認識しましょう。

その場合、しばらく嫌な練習に耐えれば必ず上達します。