久々にベートーベンを聴いてたら、昔観た「神童」という映画を思い出しました。
主演は成海璃子、松山ケンイチ。
2007年公開です。
音大を目指すピアニストのワオと、天才ピアノ少女のうたとの交流を描いた音楽ドラマ。
作中ワオが音大受験するときの課題曲がベートーベンの「熱情」です。
これを観て「ベートーベンのピアノって格好いいな!」と思った記憶があります。
この映画、説明なしで映像のみで表現しているところが多いので、さらっと観るとわからないところが多かったりします。
うたの耳がどうなったかも説明されてないし。
個人的に、最初観たときなんでリヒテンシュタイン(作中登場する偉いピアニスト)がコンサートをやめちゃったのか分からなかったんですが、自分よりうたの音の方がよかったから弾きたくなくなっちゃったんだろうなと理解できました。
真っ暗のステージで一瞬音を出したとき、そう感じたっぽいです。
難聴になったうたが、最後ワオと連弾しているシーンは、音ではなく心が通じ合ったという表現でしょう。
美しいシーンですが、ここで流れる曲がなんかチープで再見してもやっぱ好きになれません。
音楽映画なんだから、もっと美しく心にしみる曲にしてほしかった…
てか、普通に悲壮の第2楽章とかでよかったんじゃ…
主人公のワオはピアノが下手というキャラですが、映画では「さすがにそりゃねーだろ」という下手さで、もうちょっといい感じに下手に弾いてくれる人を探してほしかったです。
こういうのを、過剰演出というのでしょうか?
映像表現は秀逸なのに、主題歌といい、音楽の演出がもうちょっとという印象を改めて感じました。
音楽映画なのに…
改めて観ても、成海りこが天才少女に見えて、いいキャスティングだなと感心しました。
当時15歳ぐらい。
喜怒哀楽や、ワオへの想い、才能のある少女の危なっかしさなどを見事に表現していると思えました。
たぶん、成海さん本人が天才だからこの役を演じられたんでしょう。
ワオにもらった林檎を叩いて微笑むシーンで、ワオに恋しているのが理解できたし、ラストに代演に向かうときのなんともいえない表情も、観ているとなんか親のように心配になりました。
「私は音楽だから」という決め台詞(?)も、とてもはまっていました。
そして、今をときめく清塚信也さんがちょい役で出ててびっくりしました。
めっちゃイヤミな役ですが、こちらもすごくはまっていました。
2007年頃は役者目指してたんでしょうか?
清塚ファンはぜひチェックしましょう。
ワオがはじめて音大でピアノレッスンを受けるシーンです。
僕はあんまり映画を観ない方で、たまーに観るとしても黒澤か勝新、あるいはセドリッククラピッシュぐらいです。
この「神童」は改めて観ておすすめできるなと思いました。
未見の人はぜひ。