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「失敗は成功のもと」が具体的にどういうことか解説する


八幡謙介ギター教室in横浜

よく「失敗は成功のもと」と言いますが、では具体的にどういうことかというと分かっている人は少ないと思います。

そこで、色々失敗しながら独自のギター奏法や音楽観などを獲得してきた僕が具体的に解説してみたいと思います。

 

まず、「失敗」という現象をどう捉えるかです。

たぶんほとんどの人は、失敗をある種黒歴史的に捉えて頭から消し去ろうとしていると思います。

それをしてしまうと意味がありません。

では失敗とはなにかというと、「今後やらなくていいこと」です。

何かひとつちゃんと失敗して、それを整理して覚えておけば、これをやったら失敗するという経験がひとつ自分の中に蓄積されます。

うまくいけば、今後同じ失敗は二度としないでしょう。

しかし、失敗をきちんと整理せずに放置してしまうと、何度も同じことを繰り返してしまうかもしれません。

 

では失敗をたくさんしておくとどうなるか?

「やらなくていいこと」を沢山知っていることになります。

例えば、成功するために100通りの方法があるとします。

そのうち50を試して全部失敗したとします。

失敗を黒歴史と捉える人は、たぶん心折れてしまうでしょう。

しかし、失敗を「やらなくていいこと」だと考えれば、半分はもう失敗してやらなくていいと判明したので、成功する方法が50に絞れたと考えられます。

もちろん実際は何回やったら成功するかなんて分かりませんが、やらなくていいことが増えていくほどじわじわと成功に近づいていくというのは理解できると思います。

 

 

さらに、失敗するときちゃんと失敗しきることが大事です。

失敗しきるとは、何かを試していて失敗が見えたらそこでストップするのではなく、その方法が完全に失敗であると判明するまでやりつくすことです。

例えば、ひとつの方法に10段階のレベルがあるとします。

だいたい8ぐらいまでやったらもう失敗していることはわかると思いますが、それをあえて10までやりきります。

そうしておかないとそれが本当に失敗だったかどうか後でまた悩むことになります。

中には、8までやって失敗だと思っていたけど、10までやりきったら意外と使えることが判明したというケースもあります。

だから、8までやって『はい、これは失敗』とするのではなく、10まできっちりやりきることが大事なのです。

ただし、これはめちゃくちゃ忍耐が必要となります。

10までやりきっても大抵の場合は「これも失敗だった」と分かるだけですし、そうなるともうなんか全部投げ出したくなってきます。

しかし、失敗をやりきると残り一生これをやらなくてすむ、この方法においては一生迷わなくて済むと考えれば、やりきっておくことに価値があると思えてきます。

同じ問題を中途半端に何度も何度も試すことほど無駄はありません。

だから、失敗と分かっていても最後までやりきることが重要となります。

 

以下は僕が実際に独自のピッキングやその理論を発見し、構築した方法です。

まず、上記のように失敗をたくさん集めます。

するとやってはいけないこと、やらなくていいことが沢山集まります。

独自のピッキングが一旦完成したのが研究開始から4年ぐらいだったと思いますが、そのうち3年半ぐらいはずっと失敗していました。

そうすると、あれをやったらダメ、これをやったらダメという失敗例が山のように集まります。

そこから、そのダメなことと違うことを探していくと、なんとなく形が見えてきます。

その時にはもう試す範囲は限られてくるので、ほぼ成功が見えています。

そして、膨大な失敗例のどれにも当てはまらない方法が見つかったとき、成功したと確信できます。

もしその失敗例が一つもなかったり、あるいは十分じゃなければ、自分が見つけたピッキングが何を根拠にいいものだとしているのかわかりません。

そんなものは怖くて世に出せません。

膨大な失敗例のどれにも当てはまらない、それら全ての問題を解決しているピッキングだからこそ、自信を持って世の中に発表できるのです。

 

失敗して感情的になる人は、失敗を上記のような機能として捉えるようにしましょう。

そうすると、『よし、これはもうやらなくていい!』とすっきりした気持ちですぐ次に進めるようになってきます。

そうやって失敗してもどんどん進んでいけば、やがてぼんやりと成功が見えてくるはずです。

もちろん、現実には時間の制限があったり、経済的に失敗できる回数が限られていたり、場合によっては1回しかチャンスがないこともありますが。

その場合はまた考え方が違ってくると思いますが、今回はパス。