八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

小山田圭吾氏の記事に対する解説とブコメへの返答


八幡謙介ギター教室in横浜

先日書いたこちらがバズってました。

k-yahata.hatenablog.com

これはバズを狙って書いたので、見事当たったのが嬉しかったです。

はてぶも122件ほどつき、僕のブログでは過去3番目の多さです。

ただ、近年はネットと距離を置いていて、匿名の意見は読まないようにしているんですが、今回のブコメをふと目にしたとき意外と建設的な意見があったので、怖々全部見ました。

すると、攻撃的なコメントは少なく、誹謗中傷といえるようなものはなかったので(そういうのは消える仕組みになったのか?)、まあお礼も含めて回答していきたいなと思います。

記事の狙い

まず記事の狙いですが、この件がニュースになったとき、恐らく以下の論点で議論されるだろうなと予測しました。

 

  • 過去の悪行をどこまで遡って糾弾できるのか
  • 社会やネットの私的制裁の意義/可否
  • アーティスト個人と音楽そのものの関係性
  • 五輪委員会の任命責任

 

そのへんのことなら僕が書く必要はないなと思い、一度は記事の執筆を断念したんですが、その後別視点からミュージシャンに対する自分の意見を書いたら面白そうだなと考え、上記の記事をしたためました。

僕の狙いは、

 

  • コントロバーシャル(議論の余地あり)を狙う
  • ミュージシャンがミュージシャンの本質を暴露
  • 「そんなもんやで…」という諦念を促す

 

こんな感じで書きました。

さて、これがどう読まれ、どういう反応が生まれたかを見てみましょう。

 

 

いや、ちょっと雑すぎん?

雑なことを.../それなら公的行事用の音楽は特定の音楽家に依存しないように自動生成ツールを使うか

全くその通りと中学から細々と音楽に携わって来た人間としては同意してしまうんだけど、雑すぎて伝わらないだろうなとも思う

 

確かに、ざっくり書いたので。

ざっくり分けてはっきり言い切るというのが僕のブログのスタイルで、この件に関してだけではありません。

まあ、今考えればもう少し書き足してもよかった気がします。

主語がでかい

主語が大きい。ただ才能はあるけれど他者を害する系の人は獄中から発信するようにして一般の人と関わらせないでほしいとは思う

主語がでけえよ。それ言い出したら人間なんて大体こんなもんでまとめられるわ。

 

これもスタイルですね。

「○○は△△だ!」と言い切ることで明快さを出しつつ、コントロバーシャルに持っていくというブログスタイルです。

あと、言葉を濁して逃げ道を作らないという覚悟も一応持ってます。

わかる、概ねわかる

ミュージシャンだけでなく漫画家とかも、学生時代から成功者になってしまう人は、社会人の態度を身につけず、学生時代の態度が更新されない人がそれなりにいるね。でもそういう弁えない人に限っていい作品作ったり

この人の意見は別にして、いじめにしても不倫にしても薬物にしても、何故か同じことをしても世間から許される人/許されない人がいますよね。大衆の意見はとかくうつろいやすい。

全くそのとおり。一体どこの時代から、音楽家が清廉潔白な人だという前提になったのだろう?そんなのは全くありえないのだが。音楽を仕事とするのがそんな簡単なわけがない。ある程度おかしいのは当然。

音楽家も文豪も芸人も、世の中に何か発信することはどこかネジが取れてないとできないことなんだから、多かれ少なかれクズであると考えるくらいがいいのかもしれない。

これは全くその通りだと思うんだが、程度問題ってのはどこにでもあって、小山田圭吾はラインを余裕で超えてるってことだよ。坂本龍一だってマジモンだけどたぶんここまでは叩かれないよ

破天荒(誤用)が多い、というのは分かるが、だから他者に危害を加えることが正当化される訳ではなく、才能ある音楽家であれば免罪ともならない。時代が違ったと言う人もいるが、当時から人権はあった。

 

賛同してくださっている方もそれなりにいるようです。

まあ、言い方とか程度、くくり方の問題があるとはいえ、アーティストがどっかおかしいというのは間違いないことなので。

お前もか?自己紹介?

いや、公の場で人に自慢するのは相当だと思うぞ。あんたも障がい者にウンコバックドロップしてんのか?。

ミュージシャンはみんなイカレてるってなんの免罪符にもならない。自己紹介かな?/ モーツァルトは嬉々としてうんこ食う側だったりして…。

開き直りダサい。

この人もそうなのか。

 

これについては当該記事に加えるかどうか迷ったんですが、結局書きませんでした。

ここで改めて言っておきます、

 

言うまでもなく、僕もそっち側の人間です。

 

小山田氏やミュージシャンを「そっち側」と言い切っておいて、自分は違うなんてしらを切るつもりはさらさらありません。

ただ、念のため言っておきますが、障害者をいじめたこともなければ人にう○こを食わせたこともありません。

あと、逮捕歴もありませんから。

まあ人に言えないことはやったし、社会的に立派でないことは自分でよくよくわかってます。

その上で、僕は社会に迷惑かけないようにひっそり生きています。

ただ、自分からそんなことを言っても「俺はアウトローだぜ」と虚勢を張ってるみたいになるので書かなかったというだけです。

 

ところで、小山田氏の行為って「う○こバックドロップ」って技名がついてるの???

不謹慎だけど笑ってしまった……

今のミュージシャンは違う

まぁ昔のミュージシャンはな、今の若い人は違うと思う。

近年はそうでもないんじゃない?40代以上については間違いなくそう

 

実は僕も肌感覚でそう思っています。

ただ、芸術は本質的に白か黒でいうと黒い方に生まれるので、普通に見える若手ミュージシャンも、やっぱりどっかで今の時代なりのおかしさを持っていると思います。

あと、長年やっていくとじわじわおかしくなっていく部分もあります。

 

 

安定の誤読

ミュージシャンは他人の人権侵害してもいい人たちなのかすげーな。

ここまで言い切るともはや、職業差別そのものなのでは? そんな一般化が許されるわけないだろ。該当しないミュージシャンも多いだろうし、今後なお一層、良心と共に評価される存在となってゆくだろうて。

そうすると、程度の問題はあるとはいえ、社会の側としてはたとえばブリトニー・スピアーズ的な制度下に置こうとするのもまあやむを得ない、みたいな話になりそうなんですが、それでいいんですかね。

時代は変わった。四畳一間でアコギを抱えている時代から軽薄なパクリを繰り返して音楽が箔になった時代を超え、ボカロ文化からヒットメーカーが次々飛び出し、スマホやタブレットだけで子供が音楽を作る時代よ。 

 

それぞれちょっと違う……。

まあ攻撃性や実害がなければ物書きにとって誤読もありがたいものですが。

何が違うかはパス。

言い切りはスタイルなので、本気で100%全てのミュージシャンがおかしいとはさすがに思ってないです。

モーツァルト

モーツァルトの話、全く関係ないと思うんだけど。これは単なる性的嗜好で、しかもベーズレとは恋仲でしょ?ならば別に何もおかしくないし、被害者もいない。むしろ後年引き合いに出して嘲笑う行為こそイジメだよ。

リンク張られてたモーツァルトの記事を読んだけど、「ミュージシャンは、スカトロ癖がある」って理解でよろしい?

 

そもそもモーツァルトを引用する際「何の関係もない」と断っているんですが……。

なんで出してきたかというと、連想ゲームみたいなもんで、ミュージシャン・下劣・才能・う○こ……というワードが出てくると必然的にモーツァルトが浮かんだからというだけです。

あと、できれば笑いで締めたくて、モーツァルトの手紙で検索したら面白いのが頭に出てきたからリンクを貼りました。

小山田氏と本質的に違う話だというのは重々承知。

正論

おかしさの方向性が他害的じゃない人は居るはずなので

まともじゃないことをするやつと、まともじゃない犯罪をわざわざ自分から拡散するのは明確な境界線がある

「まともじゃない」にもレベル感があって、さすがに小山田のは許されるレベルじゃないし、これを許容してきた音楽業界は根本から反省してほしい

存命中の評価を期待しなければいい。プライベート終わってるけど、死後評価される人なんて大量に居るし。存命中の評価を得たいのなら、ある程度クリーンであるか、過去汚れてもクリーンになろうとする見え方が必要

これはミュージシャンに怒られそう / 五輪的美談とミュージシャンが相容れないのは分かるけど、イジメから立ち直る手段として音楽だった人もいる。「そっち側」がどこにどれだけかかるかは少し詳しくしたほうが。

こういう正論もしっかり出てるところがネットの成熟性を感じたりもします。

とはいえ、議論するとそれはそれでネット的になっていったりするんでしょうが…

こういうのを読むと、もっとちゃんと書けばよかったなと反省します。

ワロタ

もう音楽聴きません

 

今回のブコメで一番好きなコメントです。

センスあるなーw

まとめ

ネット文化に嫌気がさしてSNSを全部辞めて、ネットと距離を置いてから数年、久々に自分に対するネットの反応と向き合いましたが、意外と成熟していて驚きました。

特に、僕みたいな市井のギター講師程度にもちゃんと内容のある意見を求めている人が多くてびっくりです(読む前は「お前ごときが言うな」って絶対書かれてあると思ってた)。

ネット記事だからこの程度で、はもう通用しないのでしょう。

そういった空気に触れられて僥倖でした。

あと、驚くほど誹謗中傷がなく、攻撃的な意見もあるけど数年前に比べたら段違いで柔らかくなってるのにもびっくりです。

恐らく木村花さんの事件などで気を付けるようになった人が増えたのと、運営側も取り締まりを強化しているんでしょう。

これだったらたまにはネットの意見にも触れてもいいかなと思いました。

触れんけど。