AKB48といえばかつてはミリオン連発、オリコン上位独占、紅白常連、メディアで見ない日はないほどの人気でした。
総選挙は国民的行事とまで言われていました。
しかし2021年現在、かつての勢いは消え、人気メンバーはほぼ卒業、新曲はなかなか出ず、メディア露出も激減、紅白も呼ばれず冠番組も終了。
もはやオワコンの代名詞になっています。
そんな中、新たな番組がスタートしました。
タイトルは……
乃木坂に越されました
これを見た瞬間、何か背筋にビビっとくるものがありました。
この自虐感、崖っぷち感、なんだか初期AKBを彷彿とさせる匂いがあり、ワクワクしてきます。
泥棒の曲しかもこの番組、MCがあのひろゆきです。
僕は個人的にひろゆきが嫌いでTVでも動画でも出てきたら必ず消しますが、まさか今のAKBに当ててくるとは……
これは面白い!
別に自慢じゃないですが、僕はAKBをかなり初期から見ていました。
まいまいが居た頃です。
当時のAKBというと、たいして可愛くもない子をやたら人数だけ集めて、なんか古くさいテイストの曲を歌わせる変なグループという感じでした。
AKBINGOも最初は高田純次が司会だった気がしますが、すぐにバッドボーイズに変わり、福岡のヤンキーとそこらへんの女の子というミスマッチが最初はとても新鮮で面白く、僕はすぐにはまっていきました。
その後バッドボーイズとAKBという組み合わせが定着していき、当たり前になっていったのですが。
今回の新番組にひろゆきを起用するというところが、あの頃のAKBを思い出させて『すげー、まだこんなことやるんだ!』と一人興奮していました。
第1回はダイジェストみたいな感じで、2回目からひろゆき登場。
会場はAKBシアターでひろゆきはパリからリモート出演でした。
今後もそんな感じなんでしょう。
ひろゆきは気色悪いですが、まあ言ってることは正論で、気色悪いおっさんに少女が論破されていく様子には奇妙な見応えがあり、面白かったです。
そういう演出なんでしょうが。
MCが敵というのは新しいんじゃないかと思います。
アイドルプロデュースで、あえて運営側が演者の敵役になることでファンが演者を応援したくなるよう演出する手法があるそうです、ひろゆき×AKBはその極致な気がします。
個人的に、ここへ来てAKBがAKBに戻ってきた気がします。
崖っぷち感、なんじゃこいつら感、大人に立ち向かう感(反抗ではない)、TVらしい悪趣味、扱いの雑さ……
AKBってもともとそこから這い上がってきたんで、一周回ってそこに戻ってきただけなんですよね。
決して2010年代初期のあの華々しさが原点ではないんです。
だからこの状態はAKBにとっていいことだと思います。
ここからどんなグループにまた変化するのか楽しみです。