音符というものは正しく演奏するべきだとされています。
まあ最初はそれでもいいと思います。
しかし、あるレベル以上になるとその正しさは疑ってかかったほうがいいでしょう。
なぜかというと、音符の弾き方が正しい故に表現が不十分となることがあるからです。
例えば、3連符を真っ正直に弾くと、ちょっと重たくなったり、一瞬8分音符に聞こえることがあります。
そこで、あえてちょっと詰まらせて(テンポより少し速めに)弾くと、より3連符らしく聞こえてきます。
また、ジャズの3連符の場合は「タララ」と流暢に弾くとリズムが流れてしまうので、あえて「タ・タ・タ」とちょっとスタッカート気味に弾くことでジャズらしく聞こえます。
8分音符も正しく弾いているだけでは物足りません。
重たくグルーブしたい場合は少し遅らせたり、1音をちょっと長めに弾いたりします。
逆にスピード感を出したければ早めに発音し、ちょっと短めに切ります。
そうして楽曲やバンドのグルーヴに合った8分音符をデザインしていきます。
もちろんそれ以外の音符やフレーズも同じです。
音楽におけるタイムは数学でも物理でもありません、表現です。
4分音符=いくつといったことは、単なる基準でしかありません。
もちろんある程度その基準を満たさないと音楽にならないのですが、そこがゴールではなく、ある程度基準を満たした先に基準からあえてずらすという世界が存在しています。
そこが表現です。
横浜ギター教室ではかなり早い段階でそこまで説明しているので生徒さんはそこを念頭に練習してくれていると思いますが、そういったことを知らないと、ジャストがゴールだと勘違いしてしまいます。
ジャスト=正解、ジャスト=至高、ジャスト=ゴールだという洗脳から抜け出すにはどうすればいいか?
これは簡単です。
あらゆる音楽をいい音で聴く。
これにつきます。
いろんな音楽をいい音でたくさん聴いていれば、そのうちタイムの微妙なズレ、フレーズを弾くときのタメや詰まりなどが分かってきます。