このような文章を目にしたことはありませんか?
自分は落ちこぼれ
周りからは笑われ、見下されていた
自分には才能がない、もう諦めよう…
そう思っていたとき、あることに出会い、藁をも掴む思いで手をだしてみると
みるみる上達、気がついたらプロに!
これをかつての自分と同じように悩んでいる人に教えてあげよう
今なら○○円のところを△△円でご提供!
情報商材のテンプレです。
なぜこれがテンプレになるかというと、信じる人がいるからです。
自分が上達しないのはたったひとつの何かが足りないからだ、それさえ掴めば自分だっていろんなことができるようになる、プロになれる……と夢見ている人がいつの時代にもたくさんいます。
結論から言うと、そんなものはありません。
漫画の読み過ぎです。
たったひとつのことで人間の能力が劇的に変化するなんてことは、現実には起こりません。
なにかひとつのことがきっかけになって云々ということはありますが、そこから始まるのは地味な作業とそれに耐える忍耐の日々です。
それらはあまりにも退屈すぎて物語りにはならないので、漫画や映画、歌詞などでは必ず端折られます。
昔のジャンプ漫画では修行編としてわりと丹念に描かれていたりしますが、今ではもう皆無でしょう。
それでも、自分を変身させてくれる「たったひとつのこと」をいつまでも探している人がいます。
たまーに僕のところにもそれらしい人が来ますが、だいたいがっかりして辞めていきます。
なぜかというと、僕は年単位での地味な作業の継続を求めるからです。
それ以外に上達する方法はないので。
まあ、ものによってはすぐに効果がでるようなフォームもありますが、それも使いこなすにはやはり年単位の継続が必要となります。
この記事を読んでドキっとした人は、まず自分に変身願望があるかどうかを考えてみましょう。
なにかひとつのことがきっかけで自分が劇的に変身し、理想の自分になって幸せを掴むことができる……
ちょっとでもそんなことを考えている人は、いますぐそれを捨ててください。
変身願望を捨てると、情報に対する意識が変わってきます。
自分を変身させてくれる(できればまだ誰もしらない)宝物を探すことが無駄だとわかれば、もっと現実的な情報が目に入るようになってくるでしょう。
また、「変身」という曖昧な概念を捨てることで、その情報が自分の何に役立つのか、何をどう改善してくれるのか、それにはどれくらいの期間が必要なのかが見えてきます。
見えてくれば、後は忍耐と継続です。
そうした地味な作業の積み重ねでしか人は上達しません。
変身願望は漫画の主人公に自己投影するだけで我慢しておきましょう。