僕が知る限り最も散漫なドキュメンタリー。
内容に方向性が全くなく、編集もずさん。
現在の状況(癌について)は本人の口からさらっと説明があるだけ、一方教授の人生や歴史についてはほんのちょっと断片的に紹介しているだけ。
過去も現在も正直これだけじゃ全然理解できない。
環境活動などについてはわりと時間を割いているが、それも断片的なので教授が何を想い、残された時間でどこに向かっているのかは全く理解できない。
よく言えば演出がない生のドキュメンタリーなのかもしれないが、観ていて面白くない。
あと、本作品を見て、音楽家は社会活動に近づいたら終わり、という警告のようなものを感じた。
様々な自然環境から音を拾ってきて「ね、これいいでしょ?」と満面の笑みで紹介する教授、何がいいのか全く理解できない。
最後に南極までわざわざ行って氷の下にある水の音を録音し、「これが産業革命以前のピュアな水の音だ!」と言っていたのには正直哀れみすら感じた。
全ての音に理屈をつけて善し悪しを語る現在の教授の音楽が、「戦場のメリークリスマス」よりいいとは全く思えない。
アーティストはそもそもArtificial=人工的なものを創造しているので、それを教授ほど極めるとどうしても反動で自然に回帰したくなるのだろうが、危険だなと痛感した。
アーティストは都市に住み、金と欲にまみれている方が最後までいいものが作れる気がする。
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- 1983年公開
- 監督:大島渚
- 主演:デヴィッド・ボウイ
- 音楽:坂本龍一
- 出演:坂本龍一、ビートたけし、内田裕也、他