最近オーディオに新しくSONY ZS-M5を入手したので、音源のアーカイブをあれこれ漁って聴き直しています。
そこで10年ぶりぐらいに再発見したアルバムがあります。それがWalter Beckerの「Circus Money」です。
SteelyDanの片割れといったら分かる人も多いでしょう。
2017年にお亡くなりになっています。
あんまり騒がれた記憶がないから、世の中的に知らない人も多いのかもしれません。
アメリカではミュージシャンオブミュージシャン的な人です。
この作品は絶版なのか、プレミアがついています。
新品で1万円ぐらい。
まあYoutubeでも聴けますが、このアルバムはいい音で聞かないと意味ないでしょう。
生徒さんならCDRかUSBメモリ持ってきてくれたらコピーしてさしあげるので遠慮なく言ってください。
ではどんな音楽かというと、説明するのが非常に難しいです。
レゲエっぽいアレンジが比較的多いのですが、グルーヴ自体は全然レゲエではない。
メロディはポップで聴きやすいけどどこかひねくれています。
晩年のエリック・クラプトンみたいな分かりやすい大人のポップスって感じでもない。
まあ、Steely Danっぽいと言うしかないのかな?
このアルバムはとにかく音が凄いです。
Steely Danを聴いたことがある人なら分かると思いますが、アレ系のクリアなサウンドです。
何をどうしたらこうなるのか意味不明ですが、とにかくめちゃくちゃ音が良くて逆に鬱になってきます。
これ聴いた後にどんな名盤を聴いても音がくすんで聞こえます。
それと、楽曲の完成度というか、ある種のシリアスさに身震いします。
超一流の職人が集まって仕事しているような神々しさがあります。
大衆的ではなく、芸術としての音楽って感じです。
そんな作品なので、人によっては向きません。
30歳未満の人
この作品は30歳未満の人にはたぶん分かりません。大人になってから聴きましょう。適正年齢は35歳以上だと僕は思います。まあ試してみるのも一興ですが。
自分がいい音作れると思ってる人
自分の音が「いい音」だと思ってる人はこのアルバム聴くと死にたくなります。やめときましょう。
音楽に対してちょっと落ち込んでいる人
音楽に落ち込んでる人は、このアルバムを聴くともっと落ち込みます。やめときましょう。ちなみに、このアルバムは落ち込んでる人を癒やしてはくれません。むしろニヤニヤしながら突き放されます。
スマホしか持ってない人
スマホで聴いてもこのアルバムの本当のすごさは分かりません。スマホしか持ってない人はやめときましょう。
そういえばこのアルバムを買った当時、しばらく聴いていましたが、凄すぎて鬱になるからピタっと聴くのやめました。
当時30歳ぐらいだったかな?
今はぎりぎり聴けるようになりました。
たぶん、自分が音楽をつくっていないからでしょう。
あと、関係ないけどこのアルバム、なぜか日本の田園風景に合うんですよね……。
田舎をドライブしながら聴いてみてください。