スピーカーには大きさの他に用途別に種類があります。
ざっくり分けると、
- リスニング用
音楽を聴いて楽しむためのスピーカー。オーディオスピーカー。
- モニター用
音楽制作に適したスピーカー。モニタースピーカー。
一般的には、オーディオ用スピーカーとして開発されたものはリスニング用、モニタースピーカーとして開発されたものは制作用として使われますが、たまに、リスニング用として開発されたものがモニターの定番になることがあります。
YAMAHA NS-10M(テンモニ)がその代表でしょう。
じゃあ テンモニで聴くと音楽が楽しめないかというとそうでもなく、ジャズはリスニング用スピーカーよりずっと楽しめます。
ロックやポップスはちょっと辛いですね(何を楽しむかにもよりますが)。
このように、本来の用途と違った良さが出ているスピーカーもあるので難しいです。
リスニング用かモニタリング用か分からない場合は、とりあえずメーカーのサイトなどに書いてある内容を信じましょう。
モニター用なら必ず「モニタースピーカー」と書いています。
それがなければリスニング用だと思っていいでしょう。
あと、入力と駆動方法で判別することも可能です。
一般的に、モニタースピーカーとオーディオスピーカーは入力や駆動方法が違います。
あくまで一般例ですが、挙げてみましょう。
- モニタースピーカー
入力:フォン、XLR、他
駆動方法:電源供給
アンプ:内蔵
- オーディオスピーカー(ブックシェルフ、ミディアム)
入力:スピーカーケーブル
駆動方法:電源必要なし
アンプ:非内蔵(外部に必要)
YAMAHAのモニタースピーカー。
電源で駆動します。
入力は三種類、
RCA
XLR
フォン
音楽制作用なのでケーブルの規格が一般的なオーディオと違っています。
また、スピーカー内にアンプを内蔵しているので、プリメインアンプは不要となります。
ただし、スピーカーに内蔵されたアンプを駆動させるために各スピーカーに電源を供給する必要があります。
電源が要るということは、ある程度置き場所なども限定されていきますし、場合によっては延長ケーブルなども購入しないといけなくなります。
こちらはオーディオスピーカーです。
アンプは内蔵しておらず、従って駆動させるのに電源は要りません。
ケーブルはスピーカーケーブル。
電源が必要ないので置き場所はかなり自由になるし、スピーカーケーブルは細いのでちょっとした隙間に通したり隠すことができます。
構造的にシンプルなのでモニタースピーカーよりは長持ちする印象(実際にそういうデータがあるかどうかは知りませんが)。
肝心の音(キャラクター)ですが、これは使ってみて判断するしかありません。
展示場などで聴ける場合もありますが、やっぱり自宅で普段使いしないと最終的な判断はできないでしょう。
また、スピーカーの善し悪しはどこまでも相対的に判断するしかありません。
あるスピーカーでロックを聴いて「お、こいつはロック向きだな!」と判断したとしても、別のスピーカーに変えたときにもっといい音がして、実は前のやつはロックに向いていなかったとわかる…なんてことはよくあります。
スピーカー3組しか使ったことがない人と10組み使った人なら、当然後者の方が音をよく知っています。
じゃあそこまでしないといけないのかというと、今はそこまで考えなくて結構です。
今回のシリーズでは、まずスマホから脱却し、基本的なオーディオセットを構築しようというのが目標なので。
とりあえず後に買い換えること前提で安くて気に入ったスピーカーを購入しましょう。