八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

八幡謙介ギター教室in横浜
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ギターレッスンで見えてきた人間の不条理


八幡謙介ギター教室in横浜

関西と横浜で長年ギターレッスンを行ってきて、人間とはつくずく不条理な存在であるということが身にしみて分かります。

といってもそんなに深刻な話ではなく、「分かっちゃいるけどできない」というレベルの話ですが。 

 

例えば何かを習得したいとします。

練習方法は既に理解している。

とすると、あとはそれを練習するだけです。

また、その練習を1時間よりも2時間、1日よりも2日…と継続した方が上達につながるということも分かっています。

分かっている…けどほとんどの人はそれができません。

なぜできないのか?

それはもう、人間だからとしか言えないのでしょう。

 

これは講師あるあるなのですが、一定の生徒さんはなぜか教えたことと違うことをやってきます。

もちろんそういった人には改めて教えた通りにやってくださいと伝えます。

でもまた自分のやり方でやってきます。

そしてそれがなぜダメなのかを丁寧に説明し、教えた通りにやってくださいと伝えます。

しかしまた自分のやり方を探してきます。

なぜこんな無駄なことを繰り返すのか…結局これも人間だからとしか言えません。 

 

以前習っていた先生で、こうした人間の不条理が理解できず嘆いている人がいました。

「上達したければ練習するしかない、なのに練習できないやつはアホだ!」と公言したり、教室でオリジナルの方法論を試している人を罵倒したり辞めさせたり…。

その人は普段からしきりと「人間とは…」と人間論を説いていましたが、今考えれば人間の不条理が全く理解できていなかったようです。

「上達したければ練習すればいい」

たったこれだけで人が練習してくると本気で信じていたので。

 

人間はそんなことでは動きません。

なぜなら不条理な存在なので。

人間が指導した通りに動かないのなら教えることは無理なのかというと、そうでもありません。

逆に簡単だったりもします。

こちらがチャンネルを変えればうまくいくということはここ数年で気がつき、実践しています。

面白いのは、人間人間と言っている人ほど理屈で人が動くと思い込んでいることです。

若いときにそういう人をたくさん見てきて、ずっと小さな違和感を持っていたのですが、ようやく理解できました。

ということは、本当に人間を理解していた人を見落としていたのでしょう。

それについてはもったいないと思いますが、まあたぶんこれからまた見つけられるでしょう。

 

 

とにかく、人間は不条理な存在です。

1+1=2と分かっているのに1と1を足さない。

そんなことを毎日繰り返しているのが人間です。

それを理解していれば「なんで1と1を足さないんだ!」と怒ったり憤ったり悲しむということもなくなります。

また、1と1を足せない人間がいることを知れば、1と1を足せる自分が良くも悪くもかなり特殊な人間だということも分かってきます。

自分が特殊だと分かればその分他者に寛容になれたり、配慮することもできるでしょう。 

 

ギターに限らず、何かのメソッドを教える教材や動画は世の中に溢れていて、しかも年々ハードルが下がっているように思えます。

「毎日たった1分で」とか「1日たった5回で」など、一生懸命誰でもできることをアピールしていますが、はっきりいって無駄です。

毎日1分だろうが、やらない人はやりません。

それどころか「君にもできる!」と言われただけで「うっせー」と反発してやりたくなくなる人もいます。

じゃあ1分を30秒にしたらできるよね?

じゃあもう10秒でいい! 10秒ならできるでしょう??

…それも無駄です。

10秒だろうが1秒だろうがやらない人はやらないし、しばらく続けられてもほとんどの人はすぐにやめます。

なぜなら人間は不条理だからです。

そこが見えてくれば「誰でもできるメソッド」なんてものが全て無駄だとわかります。

 

「正論を説いてもダメ、ハードルを下げてもダメ、じゃあどうやって教えたらいいの??」

とりあえず、人間は不条理な存在であることを受け止めましょう。

1+1が2になると分かっているのに1と1を足せない、それが人間です。

そこが分かれば必ず新しい景色が見えてきます。