オケに合わせて演奏するとタイムが合わず、突っ込んだりモタったりガタガタしてしまうという人は多いと思います。
また、そうした癖を直そうと一人黙々とメトロノームに合わせる練習をする人も多いようです。
僕も昔はそんなことをしていましたが、はっきりいって無駄なのでやらなくていいです。
その理由は、タイム感(リズム感)が悪い原因にあります。
そもそも、なぜ自分はタイム感(リズム感)が悪いのかと考えたことありますか?
- 生まれつき?
- 才能の問題?
- 日本人だから?
- 努力が足りない?
それらもほんのちょっと関係しているかもしれませんが、全て合わせても3割ぐらいではないでしょうか?
タイム感(リズム感)が悪い本当の原因は、他の楽器との兼ね合いでタイムを捉えていないからです。
音楽におけるタイムは物理的なタイムとは違います。
結論から言うと、音楽におけるタイムは他のパートと共同で作っていくものです。
だから一人で部屋にこもり、メトロノームとにらめっこしていてもタイム感はよくなりません(少しくらいなら良くなるかも知れませんが、根本的には変わらない)。
音楽におけるタイムとは、数学的な時間とは全く違うものだと捉える必要があります。
では肝心のタイムのとらえ方ですが、まず休符に着目します。
例えばAC/DCのBack In Blackで見てみましょう。
タメを利かせたリフが特徴的です。
この休符の間本当に休んでいる(何も考えていない)人が多いと思います。
そうするとタイムがガタガタしてきます。
そこで、ギターリフの休符で他の楽器が何を演奏しているのかを聴いてみましょう。
一番特徴的なのはスネアの音でしょう。
それが分かったら、スネアの音もある意味ギターのリフのつもりで認識します。
もちろんギターは休符ですから休んでいますが、心の中では次のように認識しています。
「ジャ・タン・ジャカジャ・タン・ジャカジャ・タン……」
そして、この「ジャ」(ギター)と「タン」(スネア)でお互いが常に距離を確認し合っていると考えましょう。
そして、お互いが常に適切な距離を保ち続ける努力ができていれば、結果タイムが合っていることになります。
もちろん、バンドによってはお互いが意地を張ってバチバチに戦っている場合もあるし、全員が絶対的なタイムにぴたっと合わせるような場合もあります。
音楽は共同作業です。
タイムを正確にと考えるあまり、休符を一生懸命数えたりしている人は、一度リラックスして周りの音を聴きましょう。
必ず自分のフレーズの休符を埋めているフレーズが存在します。
だから休符はそのパートを信頼して委ねましょう。
そうすることでまた自分が弾くべき瞬間が見えてきます。
タイムとはこのようにして、共同作業でよくしていくものなのです。