八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

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ギターが上達するコツを教わっても、結局それを使いこなせるようになるまで時間がかかるので時短にはならない


八幡謙介ギター教室in横浜

関西や横浜のギター教室に「コツを教えてください」と言ってくる人が定期的に来ました。

最近は大人ばっかり教えているのでさすがにそんな人は減りましたが、若い子に教えていたときは必ず訊かれました。

あと、無料の何か(SNS、体験レッスン)をしていたときにもよく訊かれました。

 

コツを知って何がしたいのかというと、時短でしょう。

闇雲に何かを学んで無駄な時間を過ごすよりも、最初にコツを教わってからやった方が時短になり、その分得をするということなんだと思います。

結論から言うと、最初にコツを知っていようがいまいが、結局やることは同じです。

 

そもそもコツって何かわかりますか?

コツとは、単なる一要素ではなく、十分な訓練を経て獲得した物事の骨子のことです。

最初からそれを知っていようが、最後に獲得しようが、結局のところコツを掴めるようになるまで十分な期間訓練しないといけないのです。

仮に100時間の訓練が必要だとすると、

 

  • コツを知る→100時間訓練→コツを掴む
  • 何も知らないところから100時間訓練→コツを掴む

 

と、順序が違うだけで結局やることは同じです。

仮に「コツを知ってからも十分に訓練しないといけない」と分かっていればいいのですが、ほとんどの人は時短目的でコツを聞き出そうとします(しかも、多くの場合無料で)。

そういった、自分が楽するために人が苦労して手に入れた宝物をタダでかっさらっていこうという精神が透けて見えるので、コツを訊く人は識者に嫌われるのです。

こう言うと、「自分が(無能な故に)苦労した経験を他人に当てはめるな」と言う人がいますが、そうではなく、仮に最初にコツを教わったとしても、結局同じくらい苦労しないと掴めないという当たり前の話をしているだけです。

 

個人的には、合理性を求める姿勢は歓迎です。

何かを習得するために必要な努力や代価は払うから合理的な道順を教えてほしいという人を煙たがる指導者はいないでしょう。

そこに本来無理な時短だったり代価をしぶる様子が見えたら、嫌がる人は多いです。

そういった意味で、これから何かを学びたい人は「コツ」という言葉は使わない方がいいでしょう。

だいたいコツを教えてくれと言われると『あーこの人は楽したいんだ』とこちらは思います。

別に苦労させたいわけではありません。

どっちみち苦労するってことを知っていてほしいんです。