八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

言語と人口と音楽の不思議な関係 J-POPはなぜガラパゴスなのか、K-POPはなぜ世界的なのか


八幡謙介ギター教室in横浜

J-POPはガラパゴスだと昔から言われています。

その理由もいろいろあったと思いますが、決定的なのは次の二つだと僕は思います。

 

人口わりと多い

言語に国際性がない

 

まず人口について。

実は日本って世界の国の中で人口多い方だって知ってました?

こちらのサイトによると、日本は世界で10番目に人口が多い国だそうです。

ecodb.net

これがどいういう意味になるかというと、それだけ国内市場規模が大きいということになります。

次に言語。

日本語を公用語としているところは、日本とパラオのアンガウル州というところだけだそうです。

ja.wikipedia.org

国レベルだと日本だけと言っていいでしょう。

これだけでもう答えとして十分です。

日本語の歌は海外で理解されない、でも国内市場がでかいからそんでええねん、というのがJ-POPが出した回答です。

 

この「人口と言語」という視点からK-POPが世界に出る必然性も解けます。

上記のサイトによると韓国の人口は5100万人、日本の半分以下です。

つまり国内市場がそれだけ小さいということです。

しかも言語は日本と同様国際性がありません(北朝鮮はたぶん通じるんでしょうが、市場は開放されていない)。

だから海外に打って出ないと儲けが得られないのでしょう。

そうして最初から世界を視野に入れているので、当然パフォーマンスのクオリティも世界レベルに照準を合わせます。

K-POPがレベル高いと言われるのは、ここに由来します。

一方、日本はいまだにアイドル全盛で世界レベルでは全く通用しないと言われるのは、単純にビジネスとしてそこを目指す必要がないからです。

まあ、BABYMETALのような突然変異もたまに出てきますが。

じゃあアメリカはというと、これがずるいw

まず人口が世界3位(3億2700万)。

そして言語が英語という世界の公用語。

国内市場向けに音楽を制作するだけで、自動的に世界中の英語圏の市場にもアピールできます(もちろん実際にはいろんな活動が必要でしょうが)。

しかも現代音楽の基礎であるジャズとブルースが国の民謡みたいなもん。

だから、アメリカで生まれ育って、音楽を志して、国内でデビューしてヒットを飛ばしたら自動的に世界的ヒットになります。

イギリスやジャマイカから世界的アーティストが生まれやすいのも、言語の力によるところが大きいでしょう。

 

そういった観点で中国を見てみるとまた面白いです。

人口が世界一位の14億(四捨五入)。

たぶん市場としては世界の英語圏を全部足してもまだ勝てないでしょう。

だから中国のミュージシャンは単純にビジネスだけ考えると海外に出る必要が全くありません。

これだけ発展してるのに中国の音楽が全然日本に入って来ないのはたぶんそのためだと思います。

韓国の例を見ると政治云々は関係ないことがわかりますから、単純に向こうから売り込んで来ないんだと思います。

向こうからしたら、たった1億の市場なんてどうでもいいんじゃないでしょうか?

 

近年、J-POPアーティストでアメリカ云々より中国の市場を狙っている賢い人もいますね。

TMレボリューションさんが少し前に何かの番組で「今度ライブで”中国の台湾”に行ってきます」と言っていたので、僕は『あー、中国市場狙ってるんだ…』とすぐに理解しました。

(意味分からない人は勉強不足です。「ひとつの中国」で検索しましょう)

秋本康は既に中国進出失敗してます。

GACKTは向こうで一定の人気があるようです。