先日、久々にアマチュアバンドのライブを観ました。
そこでうーん…とあれこれ考えさせられました。
二組見たのですが、どちらも気合い入っていたし、演奏もまとまっていたし、音もよかったです。
ただ、どちらにも全く心が動きませんでした。
なんでだろうと考えてみると、結局キラキラしていないという結論に達しました。
それらのバンドを観ても、かっこいい! 俺もまたやりたい! と全く思えず、暑いのに大変だなー(半野外だったので)、普段仕事なにしてるんだろう? とか余計なことばっかり考えてしまい、彼らの音楽に陶酔できませんでした。
決して見下しているわけではなく、むしろロックバンドのライブなんて久々なので楽しみにしていたのですが……。
じゃあこのキラキラ感っていったい何なんでしょう?
存在感、華(がある)、キラキラしている、英語だとStage Presenceなどといいますが、いずれにせよ技術や音質、演出などを越えた、人間そのものが発する何かです。
その何かがないと、どんなに演奏が上手くても、どんなにルックスがよくても、どんなにお金をかけてもステージは成立しないのでしょう。
このキラキラ感一発でステージを成立させているのがアイドルです。
キラキラ感0で技術だけでステージをこなしているのがジャズです。
どちらに人が集まっているかを観れば、観客が何を求めているのかわかるでしょう。
プレイヤー、パフォーマーとして食って生きたい人は、この問題をクリアしないと先に進めません。
ただ、こうしたキラキラ感を出すための練習や方法論というものは恐らく世の中に存在しません。
演奏技術のようにはっきりと認識できるものでもないし、スタイルや顔のことでもありません。
自分がステージに立ったときに、観客から観て無条件にかっこいい、しびれる、憧れる、ああなりたい! と思えるかどうかです。
ちなみに、僕はたぶんステージでかっこよく見えてないだろうなと結構前から思っていました。
演奏を辞めた一因のひとつがそれです(他にも色々ありますが)。
キラキラしていないと自覚している人間はステージに立つべきではありません。
これからプレイヤーを目指す人は、ここのところをよくよく考えておくべきでしょう。
昔はイマイチなことやってたら先輩から「お前華ないな」と早々と心を折ってくれたりしたもんですが……。
そのおかげで天職が見つかったという人はいくらでもいるでしょう。
今はそんな先輩もいないので、自分で気づかないといけないですからね……。
僕もそうですが、自分が今いる場所に自分はいるべきではないと気づけたとき、本当に自分がいるべき場所が見えてきたりします。
久々にバンドの演奏を観て、そんなことを考えました。