それぞれのジャンルでまだ知られていない人を発掘・紹介するといった趣旨のブログやSNSがあります。
それ自体はとてもいいことだと思うのですが、これらのアカウントにはある特徴があります。
それは、だいたい中途半端なところでやめてしまうことです。
短いと数ヶ月、長くても3~4年といったところでしょうか。
プロのライターはめったにそんなことないかもしれませんが、アマチュア、特に匿名やペンネームのアカウントに多いです。
アマチュアで報酬ももらってないのならいつまで続けようがいつ辞めようがその人の自由なのかもしれませんが、取り上げてもらった方からすればたまったものではありません。
以前界隈で人気のギターブログがありました。
僕自身は読者ではありませんでしたが、それでも知ってるぐらい有名ブログです。
その管理人はまだ知られていないギタリストを時々紹介しているらしく、掲載された人がSNSで喜びの声を上げていたのを覚えています。
しかし、最近唐突にブログを閉鎖し、記事が全く見られなくなったそうです。
閉鎖理由は本人からは語られておらず、ファンは戸惑っているようでした。
このブログで紹介されて喜んでいたギタリストからすればたまったもんじゃないでしょう。
精神的な支柱をひとつぽっきりと折られたような感じだと思います。
実は僕も同じようなことを小説で経験したことがあります。
個人出版黎明期の頃、小説は書かないけどその界隈のサポートをしたいという人も多く、それぞれが発掘・紹介SNSやブログを立ち上げていました。
僕は経歴が珍しいからかそういったところにちょこちょこ書いてもらっていたのですが、その多くはしばらくすると更新が止まったり、アカウントが閉鎖されたりしていきました。
一番迷惑だったのは、KDP文学賞だかの賞をつくった人がいて、僕が大賞かなんかをもらったんですが、それが最初の1回でうやむやになって消えたことです。
そうなるとその賞に価値がなくなるし、受賞した人間からすれば「何なんだよ??」となんとも言えない気持ちになります。
また別のサイトでは個人出版者の人気投票みたいなのをやっていて、見ていると僕がけっこういい位置についていました。
やった!とよろこんでいたんですが、それもしばらくしたら消えました。
まあそんなこともあって不信感や嫌悪感がつのり、界隈から距離を置くようになりました。
よかれと思って立ち上げたサイトやアカウントを曖昧に運営した結果、そのジャンル、界隈の人を嫌な気持ちにさせ、離れさせる原因になったということを管理人たちは知っているのでしょうか?
現在、そしてこれから趣味やボランティアで発掘・紹介サイトなどを運営しようとしている人は、この辺をよくよく考えてみてほしいです。
やるなら腹をくくって、一生やれとはいいませんが、誰が見てもやりきったと言えるところまではやるべきでしょう(個人出版界隈でのつんどく速報のように)。
あと、辞めるにしてもアカウントは残しておくべきです。
そこで紹介されたアーティスト、クリエイターは、その記事が精神的支柱になっている可能性があります。
あなたの記事一つが創作のよりどころになっている人もいるんです。
上に書いたギターブログを以前何度か目にして、衒学的な文章から透けて見える浅さや、あやうさ、もろさなどが気になって読者にはなれなかったのですが、結果から言うとそれは正しかったようです。
自分が大好きなものに従事している人たちを最終的に傷つけ、がっかりさせるのなら最初からやらないでほしい。
もちろんこれは自分に対する戒めでもありますが。