僕の体験から言えることですが、アーティスト志望の人は20代で色々やっておき、30代に入ったらそれらをゆっくり整理していって、最終的に身の丈にあった活動におさめておくと色々楽になるのではないかと思います。
僕自身が完全にそのパターンを踏襲しています。
20代では音楽以外のことも含めて本当にいろんなことをしてきました。
その中で向き不向きがだんだん見えてき、最終的に仕事はレッスンと書き物に落ち着きました。
この二つは間違いなく向いている仕事なので、楽に継続していけるし、やればやるほど少しずつ反響が得られています。
では仮に20代で全然何もしていなかったらどうなっていたでしょう?
例えば僕は体力的にツアーというものに耐えられません。
それが分かったのは、20代前半の頃アメリカでバンド活動をし、毎週末ツアーに出た経験があったからです。
そのときに、20代前半の若さでも楽しさよりしんどさが増していました、
だから「あ、これ(ツアー)40代50代になったら絶対無理だな」と確信し、別の道をぼんやりと探し始めていました。
40を過ぎた現在、プレイヤーを続けていなくて本当によかったなと心から思います。
仮にそういった経験がなく、20代をくすぶって過ごし、30過ぎてようやくギタリストとして雇われるようになってツアーに出るようになったらどうなっていたか……。
どっかで倒れてメンバーや関係者、ファンに迷惑かけたり、下手したら身体壊して引退もあったでしょう。
そうやって20代で無理が利くうちに色々やっておき、30ぐらいからちょっとずつ整理していくと、中年期からの活動がスムーズになっていくのではないかと思います。
といっても僕はまだ中年になったばかりで、この先どうなるかは分かりませんが、大きな問題がなければ今の仕事をあと30年はやっていけると思っています。
それは、20代で色々経験し、30代で選別した結果です。
人生100年と言われている時代(まあこれ自体保険屋の陰謀臭いですが)、20代の10年ぐらい棒に振ってもたいしたことはありません。
むしろそれぐらいの方が後から楽になっていきます。