現在5Gの規格化に向けて各国の企業が動いているそうですが、日本では2020年に実現する予定だそうです。
5Gになると一気に大容量のデータが転送できるようになるとのことですが、個人的に注目しているのは低遅延化です。
言い方を変えると低レイテンシーです。
こう言うと「ほう…」と関心を示すミュージシャンも多いかもしれません。
記事などによると5G技術ではなんとレイテンシー1msを目指しているのだとか。
つまり、ほぼタイムラグなしにやりとりできるということです。
ということは、ネット経由でもリアルタイムでセッションが可能になります。
仮にそうなったとしたら、音楽はどう変わるのでしょうか?
個人的にはライブシーンが一変すると思います。
普通に今まで通りアーティストがステージで演奏するライブに加えて、別の場所にいるアーティストたちがモニターを通してセッションするのをライブで観るということも盛んに行われるようになるでしょう。
例えば、アメリカにいるシンガーと日本にいるギタリスト、イギリスにいるベーシスト、アフリカにいるドラマーが、それぞれ自国のスタジオにいながらどこでもライブを行えるようになり、観客はそれをパブリックヴューイングで観たり、ネット配信で家で観たりできるようになるでしょう。
この場合、本人たちをライブ会場に呼ばなくてもいいので、経費も削減され、その分チケットも安くなると思います。
アーティストの実入りは減りますが拘束時間も極端に減るので、ライブの数を増やせます。
また、ネット経由なら飛び入りで1曲だけ参加するということも簡単にできるので、あるアーティストがNYで行われるバンドAのライブに飛び入りした30分後にロンドンで行われるバンドBのライブに飛び入りという離れ業も可能となります。
大御所なら自宅にいながらにして月数回どこかのライブに飛び入りし、悠々と生活していくことができるようになるでしょう。
また、ネットセッションも盛んになると思います。
5Gが各国で整備されると、ネットセッションサイトが乱立し、各楽器奏者は自分の映像かもしくはアバターなどで参加できるようになると思います。
そうやってネットセッションで腕を磨いたり、見いだされてデビューというケースも出てくるかも知れません。
また、そうなるとさらに人前で演奏したことがないプロが増えてき、それはそれで新たな問題となるかもしれません。
5G世代のミュージシャンが増えれば、それ以前のフィジカル派と新世代のネットミュージシャンとの間で対立・論争が起こるかもしれません。
・音楽は人前でやってなんぼ、ネットでしかやったことのないやつはミュージシャンとは呼べない。
・これからの時代音楽はネットが主流、フィジカルな活動なんて金と時間の無駄。
などなど。
とまあ、5G技術で低レイテンシーが実現すれば、確実に音楽の世界は一変すると思います。
今からミュージシャンを目指す人は、5Gにいち早く対応していくとチャンスが開ける可能性が高いと思います。
逆に、僕みたいなアナログ世代のミュージシャンは、変に時代についていこうとせず、アナログ世代の良さや強みをしっかり出していくことで、来たるべき5G時代も生き残っていけるのではないかと思います。