ギターのテクニックで「スライド」というものがあります。
知らない人はほとんどいないでしょう。
実はこれもけっこうなんとなくで使っている人が多いようです。
横浜ギター教室の生徒さんで歴10年20年の人でも「入れときゃいい」みたいな感覚でスライドを使う人が結構います。
「そこのスライドは何を表現したくて入れているんですか?」と訊くと言葉に詰まってしまいます。
スライドも表現の手法ですから、やり方で表現される内容が変わってきます。
例えばターゲットの音があり、その音までスライドさせるとき、
半音下からスライド
落ち着いた大人っぽい雰囲気が出る。
ジャズやブルース向けの渋い表現。
かなり下から素早くスライドする
スペイシーな印象。
打ち込みやヴィジュアル系向けの耽美で無機質な表現。
かなり下からゆっくりスライド
ねちっこくなる。
ターゲットの音をエロく表現できる。
かなり上から素早くスライド
トリッキーな印象。
泣いているような、困っているような表現。
と、ざっくり説明してもこれだけあります。
もちろん細かく使い分けていくともっと多彩な表現がスライドだけで可能となります。
ではこれを読んでいるギタリストの皆さんは、スライドで入る音に対して何らかのイメージを持っており、そのイメージを表現できるようにベストなスライドを使っていますか?
おそらくほとんどの人はNOでしょう。
だとすればまだまだ表現に甘さがあるということです。
もちろん、こうしたことは経験で培っていくものですが、いつまでもなんとなくスライドを使っているだけでは何年経っても何も変わりません。
たった一音でいいので、ここのスライドはどう入るべきか? どういう表現になるべきかということをいちど考えてみましょう。
そうしたことの積み重ねが表現を深くしてくれます。
追記、こちらもどうぞ。