ギターを教えていると、基本テクニックであるハンマリング・オン、プリング・オフが適切に扱えない人が多いことに気づきます。
これらがどういったテクニックか知らない(できない)人はほとんどいないでしょう。
しかし、そこそこ弾ける人でもこれらを適切に扱えない人がかなり多いです。
例えば何らかの楽曲を弾くとします。
譜面にはクラシックのように細かく演奏を指示されていないので、当然自分で味付けしていく必要があります。
ここでほとんどの人はかなりの割合でピッキングしてしまいます。
どんな楽曲でもフルピッキングで弾くという人もめずらしくないでしょう。
しかしピッキングが多いと全ての音がはっきりしすぎてしまい、表情がつかなくなります。
そこでハンマリング、プリングなどを入れるように指示すると、今度は「そこじゃないだろ?」というところでハンマリングなどを入れる人がやはり多い。
もちろん、ハンマリング、プリング、その他スライドやチョーキングなどはどこで使おうが自由といえば自由です。
しかしその楽曲の雰囲気やカラーとあまりにも合っていなければやはりNGです。
たった一音、たったワンフレーズをフルピッキングしただけで楽曲のカラーが崩れるということは大いにあります。
そういった意味で、それぞれの楽曲をしっかり表現したければ一音一音ここはピッキングがいいか、ハンマリングにするか、それともスライドで入るかなどを吟味するべきでしょう。
そうして一曲にじっくりじっくり時間をかけて自分のものにしていくと、だんだんコツがつかめてきます。
たかがハンマリング、たかがプリングと思ってあなどっていたり、メタルにありがちな「フルピッキングで弾けるやつが一番偉い」という意味不明な信念(?)を持っていると、いつまで経っても「弾けてるんだけどなんか違う」から脱却できません。
極端に言えば「この音をハンマリングすることがこの楽曲の世界に合っているか」というところまで考えてみましょう。
もちろん、楽曲やフレーズによってはどっちでもOKという場合も多々あります。
しかし、ここはどうしてもハンマリングじゃないといけない! というケースも多々あります。
そういった発見があると自分の中の音楽がどんどん深みのあるものになっていくはずです。
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