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自己否定のパラドックス 人はどこまでいっても自己肯定しかできない


八幡謙介ギター教室in横浜

「人に必要なのは自己肯定か自己否定か」「人は褒めて伸ばすか否定して伸ばすか」といった議題があります。

僕も結構興味あるテーマで、ギターレッスンにも直接関係してくるので長年考えてきましたが、どうやら人はどこまでいっても自己否定することは不可能で、自己肯定しかできないということが分かってきました。

また、人は自己否定すると論理矛盾に陥るが自己肯定すると少なくとも矛盾はなくなるということも分かりました。

 

例えば、自己否定派の人がいるとしましょう。

自分は親や先生にずっと否定されて育ってきた、だから強くなれたし自分を常に批判的に見ることでアラを見つけ、それを修正し、成長することができた……だから自分にも他人にも必要なのは否定だ。

だいたいこんな考え方だと思います。

さて、この人がしていることは自己否定でしょうか?

僕はそうは思いません。

この人がしていることはむしろ自己肯定です。

 

なぜかというと、自己否定している自分、あるいは他人を否定している自分は肯定しているからです。

構造としては、

 

<自分←否定>←肯定して遂行。

 

となります。

この< >の中だけを見れば自己否定ですが、もうひとつメタ視点で俯瞰すると自己否定という行為を行っている自分は肯定していることになります。

もし自己否定する自分も否定すれば、

 

<自分←否定>←否定⇒<自分←肯定>

 

となります。

このように、自己否定は最終的な自己肯定をもってしか遂行できません。

これが自己否定のパラドックスです。

 

一方、自己肯定はどうでしょう?

 

<自分←肯定>←肯定し遂行。

 

まず自分を肯定し、さらにその行為を俯瞰して肯定し遂行します。

ここには矛盾はありません。

 

自己否定というのは一見強い精神を持った行動のように思えますが、結局最終的には自己肯定が必ず存在します。

だからといってなんでもかんでも自分を肯定するのもよくないですが、少なくとも自己否定が自己肯定の上位にくるということはありません。

むしろ自己否定は最終的な自己肯定に気づかず、自己否定する強い自分に酔っている分たちが悪いと言えそうです。