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感想
東京のアイドルシーンをアイドル(グループ)やファン、プロデューサー、社会学者、フェミニストなどの多角的視点から分析している作品。
AKBなどのメジャーアイドルはほとんど登場せず、柊木りおとそのオタクを中心に、比較的マイナーなグループに焦点を当てている。
社会学者(たぶん)が言っていた、「現代の日本は70年代のイギリスと似ている。イギリスはパンク文化が生まれたが、日本においてのそれがアイドル文化である」といった分析にははっとした。
フェミニストの方の、辛辣ながらも認めざるを得ないと実感している悔しそうな意見も印象的。
まだ蕾の開かない無垢(それが幻想だと知っていても)な少女とのプラトニックな交流を自己の人生の糧とする日本人男性特有の思想は、古くは川端康成の「伊豆の踊子」に主題として描かれているのだが、「私」が「踊り子」(=アイドル)から何を得て、どう人生が変わったのかはまだ誰も説明しきれていない。
その秘密に届きそうで届かないところがもどかしくも愛しくなる良作。
TOKYO IDOLS DVD