4月3日、坂本龍一さんご逝去の報道が流れて驚きました。
最初「坂本」と読んでなぜか坂本冬美かーと一瞬思ったんですが、まさか高橋幸宏さんに続いてこうも早くYMOのメンバーが亡くなるとは……
こういうのって引っ張られると言うので、闘病生活が続いていた坂本さんにとっては高橋さんの訃報で生命が一気に死の方向に向かったのかなあと想像します。
個人的にYMO世代ではなく、坂本龍一は10代の後半ぐらいに映画音楽でハマりました。
昔ちょっとピアノをかじっていたとき、「戦場のメリークリスマス」を練習していたこともあります。
リフレインが特徴の美しいメロディは聴いた瞬間心の奥をぐっと掴まれるような不思議な感覚があり、僕の中での最高のメロディの一つですね。
僕はいわゆる「音楽の力」というものをあまり信じないタイプです。
そこに変に期待すると逆に音楽が弱くなるというか、他力本願的になってしまうので。
「音楽の力」はやることを全部やって最後の最後にする神頼みみたいなもんで、そこまでは努力と計算でできることは沢山あります。
が、「戦場のメリークリスマス」を聴くといつも音楽の不思議な力というものを想像させられます。
あと、これは個人的な体験なのですが、昔「Radio Sakamoto」というラジオ番組があって、そこでリスナーから曲を募集し、審査に通ったらかけてもらうという企画があって、ソロミニアルバムを作ったばかりの僕は試しに楽曲を送ってみたところかけてもらったことがあります。
こちらの曲です。
あの坂本龍一に名前を呼ばれて曲を紹介してもらったとき、さすがに胸がドキドキして体が固まったのを覚えています。
あと、そのときたまたまゲストに幸広さんがいらっしゃっていたのも覚えています。
お二人とももういないんだと考えるとさみしくなりますね。
坂本氏は晩年は社会運動に参加し(元々学生運動をしていたが引退)、ドキュメンタリーなどを観ると音楽よりも理屈が先行した印象で、正直”哀れな老音楽家”と思っておりましたが、亡くなるとそんな印象が全部吹っ飛び、美しか残らないという現象に改めて死の神秘的な性質を感じます。
余談ですが、坂本龍一の父一亀氏は三島由紀夫の「仮面の告白」の編集者だったというのは文学好きの中では有名な話です。
ふと思い出したので書いておきます。
こちらは2022年の演奏のようです。
今まで聴いた中で一番いいですね。
坂本さんの全部が詰まっている気がします。
教授、RIP。