ジャズにはジャズ特有のリズムがあり、それをswing(スイング)と呼びます。
これがなければジャズとは言えない、というぐらい重要な要素です。
今回はスイングの練習方法とその捉え方、僕なりの考え方をレクチャーしたいと思います。
もちろん、これが絶対ではなく、いち方法論にすぎませんが。
リズムの習得には、歌うのが一番です。
色々と実験した結果、最もスイングを感じやすいのは「ダーカ・ダーカ・ダーカ」という歌い方です。
よくある「ターンターカ・ターンターカ」というのはシンバルで演奏するフレーズであり、ある意味表面的なものです。
「ダーカ・ダーカ」と歌った方が、より深いところでスイング感を感じられる気がします。
ちなみに、裏拍とかは全く気にしなくて結構です。
これは意外と簡単です。
「ダー」をめいっぱい伸ばします。
イメージ的には「ダーーーーーカ・ダーーーーーカ」という感じです。
すると、”カ・ダ”の間が自然と短くなります。
また、こうすることによって4分音符が膨張してくれます。
もちろん、伸ばしすぎるとタイムが崩れますが、今はスイング感を感じたいだけなのでそこは無視してください、
1拍を「ダーーーーーカ」とめいっぱい伸ばすと、自然と顎が前に出ます。
そして「カ」で顎が戻ります。
これがよく言われる「鳩の首」です。
この「鳩の首」は、胎内にあるスイング感が起こす現象です。
これだけ真似しても何の意味もありません。
逆に言えば、「ダーーーーカ・ダーーーーカ」と深くスイングを感じていれば、勝手に「鳩の首」になっているので、特に何も考える必要はありません。
これは以前から言っていることですが、スイングを心地よく感じているうちはスイングしていません。
なぜかというと、スイングはそもそも日本人にないリズムだからです。
それを日本人である我々が「心地よく」感じているということは、日本人なりにスイングしている=ちゃんとスイングできてないということです。
全く異なる文化を本当の意味で体現する際、絶対に違和感が発生します。
西洋人が着物を着て、畳の上に正座をし、作法通りにお茶をすするとき、”心地良い”とは感じません。
痛い、気持ち悪い、疲れる、むずむずする……など、それが日本の正しい作法であればあるほど、より強い違和感を感じるはずです。
それと同じで、日本人が異文化である”スイング”を正しく体現できているときは”違和感”を感じていないとおかしいのです。
仮に違和感がなく、”心地良い”と感じていたら、それは日本人なりのスイングだということです。
もちろん、それでよければ問題ありませんが。