ギター教則本最新刊「ギタリスト身体論3 ピッキングの研究(仮)」の内容を少しだけご説明します。
仮タイトルの通り、ピッキング研究をまとめた本で、最初から最後までピッキングのことしか書いてません。
まあそれは知ってる人も多いと思いますが。
本書では、ピッキングフォームを親指、人差し指~小指、手首、前腕、肘、肩に至るまで全部でひとつとしています。
ピックの持ち方だけは参考にするけど前腕は使わないとか、肩の使い方だけ取り入れるといったことはできません。
やろうと思えばできるけど、意味はありません。
僕が提唱するピッキングは、親指と前腕、前腕と肩、肩と親指などなどそれぞれが連動し、相互に補完しあっています。
その全てがひとつにまとまったとき、論理と機能が一体化します。
例えば、弦移動でピックが弦にひっかからずに弾くにはどうすればいいかという問題に、僕のピッキングは理論と機能の面で完璧な回答を出すことができます。
机上の空論でもなければ、「俺は弾ける!」という講師特有の自慢でもありません。
ちゃんと理論通りにやれば誰でもできます。
その理論通りにやることが難しいのですが。
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4年にわたるピッキング研究で僕が発見したのが、ピッキングラインという概念です。
ピッキングと弦移動の際、ピックがどのようなラインをたどるのか、それぞれのプレイに対し、どんなラインを描くのが最も合理的か、そのラインを描くための身体操作は……。
これも完全に理論化しています。
その理論は小学生でも分かるほどシンプルですが、実際の運動として行うのはそこそこ難しいです。
僕は長年の講師業で、まず頭で理解するということの重要性を発見しました。
よく「身体で覚えろ!」といいますが、たぶんそれは比較的短期間で習得できること、しかも集団の中で習得できる技術に限定されると思います。
楽器の習得は恐ろしいほど時間がかかり、しかもそのほとんどは孤独な個人練習です。
ですから、そこに何らかのゴールが見えていないと耐えられません。
もちろん、プロになった人はその拷問に耐えてきた人たちですが、プロになる気もない人に「お前も俺と同じ拷問に耐えろ!」と強要するのは酷でしょう。
ですから、技術を可能たらしめる理論をきっちりと構築し、その理論に到達するための身体操作としてピッキングを教えることでゴールとそこに至る道のりを可視化させます。
あとは登山と一緒で、ゴールが見えていればしんどくてもなんとか我慢できるようになります。
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これまで、ギターの世界にはそうした演奏理論も、それを補佐する身体操作もありませんでした(それっぽいのはあるにはあった。2009年に僕が「ギタリスト身体論」を出してからはやや出てきたような気もします)。
特にピッキングに関しては理論と呼べるものは皆無だったと言っていいでしょう。
なぜ今まで誰もピッキング理論を構築し得なかったのかというと、難しいからです。
本当に、死ぬかと思うぐらい険しい道のりでした……
たぶん、こんなことはもう二度とやらないでしょう。
それはいいとして、「ギタリスト身体論3」では、ピッキングという難問に正面から論理的な回答を提示しました。
「俺はこう弾いている」でもなく、「誰それはこう弾いていた」でもない、誰でも理解でき実践できるピッキング理論です。
「ギタリスト身体論」では、作戦上虎の威を借りていましたが(ギターの達人はこう弾いてるらしいよ…)、今はそれをする必要がなくなり、僕のオリジナルな考えを提示できるようになったというところにちょっとだけ成長を感じています。
「ギタリスト身体論3」は今秋発売予定です。
お楽しみに!
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