楽器を練習する際、思い込みは必ずつきまといます。
初心者だけでなく、プロも同様です。
僕自身フォームを専門に研究しているのに、気がついたら思い込みでフォームが崩れていたということが多々あります。
つい先日も軽い不調になり、色々調べた結果酷い思い込みをしていたことが分かりました。
そこで理論が重要となってきます。
理論といってもいわゆる音楽理論ではなく、フォームや練習方法などにおける原則やルール、「こういうときはこうすれば治る」といった公式、対処法のことです。
例えば僕の理論だと、<弦移動でひっかかる場合は肩が動いていない>という公式があります。
だから肩の動きにはいつも注意をはらっているのですが、何かの拍子に肩がうごかなくなっていることが時々あります。
おそらく無意識的に肩を動かさなくてもいいという思い込みが働いたのでしょう。
実際、肩を動かさなくてもギターを弾くことは弾けます。
その思い込みが働いてしまったときに<弦移動で引っかかる場合は肩が動いていない>という理論を思い出し、肩をチェックします。
当たっていればまた元通り弾けるようになるし、そうならなければ別の理論を当てはめて修正していきます。
今では自分のことも生徒さんのことも、だいたいの問題は独自の理論で修正できるようにはなってきましたが、それは今後一切失敗をしない、スランプにならないということとは違います。
思い込みから不調になり、スランプになることは誰でも、どんなレベルでも、何度でも起こります。
訓練に訓練を重ねて体に染みついていることでも、何かの拍子に思い込みから崩れてしまうことがあります。
だからこそ、その対策として理論を持っておくことが重要なのです。