八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

アドリブするとき、”今”弾いているコードに没頭してはいけない


八幡謙介ギター教室in横浜

アドリブがある程度できるようになってき、コードトーンも的確に使えるようになってくると、じゃあそろそろ小節をまたいでみよう、コードとコードの境目を崩していこう、となります。

しかし、これがなかなかできません。

なぜなら、初心者から中級者は今弾いているコードに没頭してしまうからです。

例えば、|C△7|A7|Dー7|G7|というコード進行があったとしましょう。

C△7を弾いているときはこのC△7しか見えていない、A7を弾いているときはA7しか見えていないという状態です。

当然そうなるとひとつひとつのコードを弾くことしかできません。

だから小節をまたぐことができないし、コードの境目を崩すこともできません。

その結果、いかにも「一生懸命練習してきました! 今からその成果を発表します!」 といった、課題の発表会のようなソロになってしまいます。

あるいは、各小節、各コードにフレーズをこれでもかと詰め込んだ節操のないソロ、といってもいいでしょう。

どこから上に行きたい、でもどうしたらいいのか分からない……そこでコード進行を俯瞰で観られるように訓練します。

例えば今C△7を弾いているとしてもそこに没頭するのではなく、次はA7が来て、その次はDー7……という流れが見えている中でのC△7という風に捉えます。

そうすることで、各コードをかっちり弾くことも、崩して弾くことも両方できるようになります。

また、コード進行が俯瞰で見えていると心に余裕もできてきます。

僕は調子が良ければ32小節のスタンダードで1コーラス見えていることもあります。

以前セッションで、ソロに入った瞬間1コーラスどう弾くか全て見えていたことがありました。

調子がよくなくても、最低4小節~8小節ぐらいの単位は常に俯瞰で見えています。

 

じゃあどういう訓練をすればコード進行が俯瞰で見えるようになるのか?

……実はまだ「具体的にこれをやったらできる!」といったメソッドはありません。

僕自身はたぶんセッションやライブの経験で培った能力だと思います。

この点は今後のレッスンの課題といえるでしょう。

とにかく、今弾いているコードしか見えていないという人は要注意です。