八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

なぜ日本人ジャズギタリストはことごとく模倣者(紹介者)になるのだろう?


八幡謙介ギター教室in横浜

昔から疑問に思っていたのですが、なぜ日本人ギタリストはことごとく模倣者になるのでしょう?

ウエスそっくりに弾く人、ケニー・バレルそっくりに弾く人、グラント・グリーンそっくりに弾く人、ジョンスコそっくりに弾く人……数えればきりがありません。

また、模倣者でなくても、この人(日本人ギタリスト)はケニー・バレルの紹介者、この人はチャーリー・クリスチャンの紹介者、という風に有名ギタリストのプレイを世間に紹介する人という売り込み方が凄く多い気がします。

他の楽器もそうなのかもしれませんが、特にジャズギターで顕著な現象だと思います。

でも、なぜそうなるんでしょう?

 

ロックギターなんかはずいぶんオリジナルなプレイヤーが出てきているのに、なぜそれよりも歴史のあるジャズギターでもっとオリジナルなギタリストが出てき、日本のジャズギターを牽引するという現象が起こらないのでしょうか?

おそらく原因はプレイヤーよりもオーディエンスやアマチュアプレイヤーにあると思います。

 

ジャズギターの世界では、何故か「誰々風の演奏」を求められることが多く、それをするとある一定の人には受けることが保証されています。

また、有名ギタリストのプレイに詳しいと、そのギタリストのファンが習いに来てくれたります。

逆に自分の音楽、自分のプレイを追求するとファンや生徒を獲得するのに苦労します。

だから自分にわかりやすいキャラをつけるために安易に誰かの模倣者、紹介者というポジションに納まろうとするのでしょう。

その結果、有名ギタリストの模倣者、紹介者が増えていきます。

 

実は僕も、学生時代はジョー・パスが大好きで、ジョー・パスの模倣者・紹介者を目指していたことがありました。

一時期はジョー・パススタイルのソロギターで仕事をしていたこともあります(ソロギターだとギャラを独り占めできるという旨味もあるので)。

しかし、20代後半でふと自分はオリジナルではないことに気づき、それ以来ジョー・パススタイルは封印しました。

ちなみにこちらの楽曲がそれです。

ジョー・パスの「Song For Ellen」というアルバムに影響されてやってたことです。

今考えると黒歴史ですね……

www.youtube.com

www.youtube.com

Songs for Ellen

Songs for Ellen

 

しかし今では誰々風ではなく、完全に自分のオリジナルを教えています。

確かに、ジャズギターレッスンだけで見ると収入は苦しいですが(演奏しても苦しいでしょう)、理解者は確実に増えていると実感しています。

何より、オリジナルであることで心が満たされている感じが常にあります。

だって、「誰々風のジャズを教えてください」ではなく「八幡さんのジャズを教えてください」と習いに来てくれるんですからね!

それも、ギターだけでなく、他の楽器の方も!

これ以上の喜びはありません。

 

これからジャズギターを目指す人は模倣者・紹介者というポジションは避け、ぜひオリジナルを目指してほしいと思います。