アドリブで譜面を見ないというのは実はかなり重要で、海外ではわりとやかましく言う講師は多いです。
しかし、残念ながら日本ではほとんどそれが伝わっていません。
これもお国柄なのでしょう。
なぜ譜面を見ないことが大事かというと、そうでないと会話にならないからです。
話している相手がじーっとスマホを見てたらもう会話になりませんよね。
それと同じです。
アドリブ=会話ということをできるだけ早く理解するためには、譜面を見ずにやることが重要となります。
でもコードが覚えられない、アナライズ表を見ないと対応できない……そんな人は楽曲のレベルを一端下げましょう。
ジャズのスタンダードは譜面を見ないと弾けないのなら、一度ブルースにしてみるか、それでも難しいなら1コードでセッションしてみましょう。
Cメジャーペンタしか知らないならCメジャーペンタ一発でできる曲(コード進行)にしましょう。
譜面ありで楽曲のレベルを上げるよりは、楽曲のレベルを下げてでも譜面なしでやる方がいいと僕は考えます。
もちろん僕の教室では一切譜面は使いませんし、仮に生徒さんが譜面がないと弾けないならその曲はやりません。
当然、譜面を見ずにどうやって弾くかというレクチャーは必ず行います。
アドリブの練習に正解不正解があるとすれば、譜面を見て最後まで上手に弾くことは不正解です。
譜面を見ずに頭に浮かんだ音を勇気を出して弾いてみることが正解です。
たとえその音が合っていようが間違っていようが。
余談ですが、音大にいたときある講師がわざと譜面にめいっぱい顔を近づけて一生懸命弾く真似をし「Japanese Style」とからかってきたことがあります。
もう17、8年前の出来事ですが、僕はいまでも悔しいし恥ずかしく思っています。