八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介が音楽やギターについてつづるブログ

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スタンダードは12キーで弾けなければならないかという問題

以前にも書いたかもしれませんが、生徒さんから質問が出たのでもう一度。

 

ジャズをやっているとどこかで必ず「スタンダードを覚えたら12キー(全部のキー)で弾けるように練習するべし」と誰かに言われます。

学生時代は僕もそうするべきなのかと悩んでいました。

実際にジャズミュージシャンをやった後で改めて考えると、その必要はありません。

 

理由その1 現実的でない

例えば「枯葉」をDーで弾いたり、「酒と薔薇の日々」をAで弾いたりすることってありますか?

僕は一度もないですし、聞いたこともないです。

ブルースなら複数キーに対応しておくべきでしょうが、それでもせいぜいF、E♭、C、B♭、ぐらいじゃないでしょうか。

 

理由その2 歌伴なら譜面がある

スタンダードを普段やらないキーで演奏する可能性として、歌伴があります。

しかし歌伴ならまちがいなく譜面があるはずです。

ということはそこで必要なのはどんなキーでも瞬時に弾ける能力ではなく、譜面のリーディングスキルになります。

 

理由その3 過剰な移調練習は音楽を記号化してしまう

12キーで楽曲を弾く練習は、音楽を記号化します。

そうしないと対応できないからです。

そして苦労の末にどんな楽曲でも12キーで弾けるようになった結果、演奏から人間らしさが消えいわゆる「つまらないジャズ」になってしまいます。

それならスタンダードはセッションキーでしか弾けない、でもその分その曲をしっかり掘り下げて自分のものにしている(そういうことにちゃんと時間を使っている)人の方がいい演奏ができると思います。

 

蛇足

以下は私見ですが、どんな楽曲も瞬時に12キーで弾けるといった高いスキルを持った人がジャズの世界で売れていくか(仕事が沢山入るか)というと、そうではないように思えます。

実際は便利屋のように使われたり、歌伴要員としてキープされたり、果てはカラオケのような扱いを受けます。

また、そういった人に伴奏してもらった歌手は、伴奏者は必ず12キーで弾ける、それができて当たり前、できない人は半人前といった間違った認識を持ってしまうでしょう。

譜面なしで変なキーを指示して伴奏者がまごついたら見下すような歌手……たまーにいますよね。

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