はじめてのジャズ 22 ジャズに見る<逸脱> ①アウト

ではここから、ジャズの楽曲においてどのような<逸脱>が行われているのかを具体的に解説していきましょう。

まずはジャズをジャズたらしめている要素である”アウト”についてです。

”アウト”とは、わざと音程を外して緊張感や浮遊感を出すジャズ独特のテクニックです。

1940年代あたりからこうした技法がジャズミュージシャンの間で盛んに取り入れられ 、それはやがてBe-Bop(ビバップ:通称バップ)と呼ばれ大流行します。

 

一説によると、チャーリー・クリスチャンというギタリストがはじめて”アウト”をした人であると言われていますが、本当かどうかは分かりません。

ただ、クリスチャンは世界ではじめてエレキギターを使った人でもあり、私生活でもドラッグや女に溺れ、そのせいか早死にしているので(25歳で死去!)、新しいもの好きで相当な<逸脱>者だったことが推察されます。

ですから彼がはじめて音を外す技法としての”アウト”を使ったとしてもそれほど不思議ではありません。

 

この”アウト”という音楽技法は黒人精神である<逸脱>と完璧に合致し、瞬く間にジャズの世界に広がりました。

最初はほんの一音、注意して聴かなければ外したかどうかも分からない程度の”アウト”だったのでしょうが、そこから徐々に解釈は広まり、後に歴史に残るミュージシャンたちが独自の”アウト”を切り開いていきました。

このような、誰が一番かっこよく間違えられる(”アウト”できる)かを競い合うという文化は、日本にはありません(強いて言えばお笑いがそういう文化なのかもしれませんが、ちょっと違う気がします)。

この一点だけを見ても、ジャズがどれだけ我々の文化から遠いところにあるかが分かると思います。

日本で誰かがチャーリー・クリスチャンのように”アウト”したとしたら、即座に村八分にされ何事もなかったかのように闇に葬られるでしょう。

アメリカはアメリカで、黒人が生涯を賭けて造り上げた文化が花開いたとたんに白人に吸い上げられるという悪しき構造があったようですが。

 

とにかく、これからジャズを楽しみたいという人は、ジャズは音を外す音楽だと覚えておいてください。

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