2年半ほど前にピッキングの研究を始めてから、とりあえず基準をイングヴェイとしてきました。
なぜイングヴェイかと言うと、僕が知っている限りで最も脱力できているロックギタリストだからです。
ですからその仕組みを少しでも理解することで、普遍的なロックギターのピッキングを構築できるのではないかと考えました。
幸い、動画は数え切れないほどアップされているので資料に困ることはありませんでした。
そうしてイングヴェイのピッキングを観察しつつ、指の使い方、ピッキングの角度、手首の角度、前腕の動きなどありとあらゆる方法を試してきました。
といっても、彼のように弾きたいとか真似をしたい、サウンドを似せたいといったことではなく、誰でも使えるピッキングを作ることが目的です。
だから完全に同じようにフォームを作るつもりは全くなく、良いところだけを真似して必要がなくなればイングヴェイの観察はやめるつもりでした。
そして何度も「もうイングヴェイはいいや」と思ったのですが、必ずその後に何らかの問題が発生し、いろいろ調べたあげくまたイングヴェイに戻るということを繰り返してきました。
そうして自分の作ったフォームとイングヴェイのフォームの違いを比べてみると、必ず新たなトピックが発見でき、行き詰まっていたところが解決できたのです。
どうやらイングヴェイのピッキングフォームは、単なる一個人のピッキングの癖というレベルではなく、誰もがそこから何かを学べる普遍性を持ったフォームであるということがようやくわかってきました。
そこまでのレベルに達しているのは、僕が知っている限りではイングヴェイだけです。
好き嫌いはともかく、ピッキングで悩んでいる人はいちど徹底的にイングヴェイの右手を観察してみることをお勧めします。
フォームの見方や、応用の仕方がわからないという方は教室までお越しください。
基本となるピックの持ち方や腕の使い方、それらを自分のプレイに応用する方法をお教えします。
ただし、イングヴェイのピッキングの完全な再現だとか、プレイやサウンドの真似をするということではありません。
あくまで誰でも応用できる要素を抽出し、自分のプレイに適応させることが目的です。