八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

アドリブのエンディングをドラマーに伝えるタイミングは?


八幡謙介ギター教室in横浜

僕はアドリブにおいては、ドラマーとどう付き合うか、ドラマーをどうコントロールするかが勝負だと思っています。

というのは、ドラムという楽器がアンサンブル全体をコントロールしている指揮者だからです。 

エンディングが成功するかどうかも、そのドラマーとどれだけ意思の疎通が図れるかにかかっています。

では、アドリブのエンディングは、いつドラマーに伝えれば良いのでしょうか?

そのためには、ドラムという楽器やドラマーの役割、心理を知っておく必要があります。

ドラマーは、楽曲の節目節目において、事故が起こらないように細心の注意を払って演奏しています。

一番神経をとがらせている瞬間がエンディングと言っても良いでしょう。

なぜなら、エンディングは演奏を止めるか続けるかの意思決定を行う場面だからです。

演奏を止めるつもりが一部まだ続いていたり、続けるつもりが一部止まっていたりすれば、かなり間抜けな時間になってしまいます。

そうならないために、ドラマーはエンディングに入る直前にかなりはっきりとした、エンディングを示唆するためのフィルを入れるはずです。

という事はそのフィルをたたき出す直前には既に「終わる」と言う意思決定をしていないといけないことになります。

エンディングがコーラスのど頭一発目だとしたら、フィルはその直前の小節の3、4拍あたりで行うので、2拍目にはもう「終わる」と言う意思決定が必要になります。

という事はドラマーにエンディングを伝えるタイミングは、当然それ以前となります。

コーラスのど頭で終わるのなら、前のコーラスの最後の小節に入る前にはエンディングの意思を伝えておく必要があります。

そうするとドラマーはエンディングを演出するためのはっきりとしたフィルを自信を持って叩くことができ、それがバンド全体に伝わってきれいにエンディングを迎えることができます。

 

このように、ドラマーが<エンディングの意志の確認>→<エンディングのためのフィル>→<エンディング>という手順を踏んでいることを理解しておくと、ではいつその意志を伝えるかが自ずと見えてきます。

セッションなどでエンディングがうまくいかない人は、ここが曖昧なのかもしれません。