シンガーソングライターの楽曲で非常に多いのが「半径◯メートルの小さな日常を歌にしました」といった、日常系の歌詞。
そういった歌詞を聴いていると、心に引っかかるものと、そうでないものがあります。
前者の方が圧倒的に少ないと言えるでしょう。
そして、ほぼ100パーセント前者はプロ、後者はアマチュアです。
では、同じ日常を舞台とした歌詞で、プロとアマチュアにどのような違いがあるのでしょうか?
あるいは、日常系歌詞で心に引っかかるとはどのようなものでしょうか。
それを考察してみました。
結論から言うと、心に引っかかる事のない日常系の歌詞は、本当にただの日常を歌っていることが多いです。
だから、「まあ、そんなこともあるよね」ぐらいにしか感じません。
もっと言えば、「だから何?」「なんでそんなことをわざわざ歌にしたの?」と疑問に感じることもあります。
一方、心に引っかかる日常系の歌詞は、日常を舞台としながらもそれをどこかスペシャルなものに仕上げています。
だからリスナーは、それを聞くことで自分の日常がどこかスペシャルなものに感じられ、うれしくなるのだと思います。
冷静に考えれば、他人が過ごしているただの日常なんて興味ないですよね?
自分でも普段から感じている事、考えている事と同じレベルの歌なら、わざわざそれを聞きたいとは思わないはずです。
しかし、それが何か特別な内容であったり、自分の日常にもあるのに今まで気づかなかった事だったら、心に引っかかってきます。
日常系の歌詞とは、日常を舞台としながらも、そこにある特別な何かを歌ったものでなくてはならない、ということが言えそうです。
歌い手が超有名人であれば、何でもないただの日常を歌うことに意味はあるかもしれません(こんな有名人が自分と同じ日常を過ごしているという驚き)。
しかし、知名度のまだない歌手が本当のただの日常を歌っているだけでは、正直リスナーとして興味は持てません。
日常系の歌は、あくまで日常を舞台にしているということであり、それを多くの人に聞かせ共感してもらうためには、そこに特別なものを加える必要があるのでしょう。
それが圧倒的に上手いのは、槇原敬之です。
興味がある方は、槇原敬之の歌詞を勉強してみてください。
コード進行やメロディなども含め、J-POPのスタンダードを作ったような人なので、知らない人はぜひ聴いてみてください。