八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

オーケストラやブラバン(吹奏楽)は本番前にこういう日程を組んでみてはどうか


八幡謙介ギター教室in横浜

ときどき、元吹奏楽部員やアマチュアオーケストラの方が僕のブログ記事を引用してくださっているので、そういった方々のブログなどを読むこともあるのですが、だいたい運営や顧問の指導方法に不満があるようですね。

特に、部活のスポ根体質はいまだに健在みたいで、読みながら苦笑いしています。

で、以前から僕がぼんやり考えていた、ブラスバンドなどの本番直前の理想的な日程をちょっと書いてみたいと思います。

あ、運動とか知的競技にも当てはまるかもしれません。

ポイントはDMN(デフォルトモードネットワーク)の活用です(下記リンク参照)。

 

本番で大事なのは、持っている力を出し切ることでしょう。

そのためには、まず全体のレベルアップが必要です。

これは日々の練習で培うものなので今回はパスします。

また、今回のテーマは上位入賞とも関係ありません。

まあ、結果的にそうなればいいのですが。

 

さて、バンドやオーケストラが持っている力を出し切るためには、日々の練習によるレベルアップと、もうひとつ、その練習を完全消化することが必要だと僕は考えます。

スポ根練習では、この”消化”がどうしても甘くなってしまいます。

なぜなら、本番直前まで詰め込む練習をするからです。

上記のリンク記事でも書きましたが、詰め込んだ練習が自分のものになるためには、オフが必要です。

オフをとり、DMNを活性化させ、それらの練習を脳に整理させるのです。

そして、十分なオフを取り、脳が練習内容をきちっと消化できたとき、はじめてそれらが自分の力となって発揮できるのです。

僕はブラスバンドと関わったことはありませんが、どうせ本番全日まで練習練習、当日になっても顧問やリーダーがあれやこれやまだアドヴァイスしてるんでしょう。

そんなことをしても部員の頭の中は未整理の情報でぐちゃぐちゃ、いい演奏ができるとはとうてい思えません。

ではどうすればいいか?

 

本番3日前

ここまではめっちゃ練習していいです。

 

本番2日前

はい、ここで全日オフにしましょう。

生徒や楽団員には練習禁止令、音楽禁止令を出します。

練習したやつ、音楽聞いたやつは死刑、ぐらい徹底しましょう。

部員、楽団員と会うのも禁止したほうがいいかもしれませんね。

それぐらい一旦練習や音楽を忘れさせた方が効果が得られます。

DMNとは脳をデフォルト状態(なにもしない、考えない)にすることなので。

 

本番1日前

この日は最終確認のゆるーい練習でOKです。

たっぷりオフを取った後ですから、たぶん、いつもより指が動く、音が出る、あやしいところがすらすら弾ける、といった声が出るでしょう。

で、軽ーく確認したら解散します。

間違っても新しい情報や、さらなる練習が必要となるアドヴァイスは出さないようにします。

そんなもん出してももう遅いし、無駄です。

また、本番までさらなる個人練習は禁止しておきましょう。

 

本番当日

当然ですが、この日は細かいアドヴァイスは厳禁です。

特に、技術的なことで新しい情報は絶対に与えないようにしましょう(プロに近い楽団や、それに対応できる人相手ならいいですが)。

何か言うとすれば「全力で」とか「楽しんでいこう」といったざっくりしたことひとつだけにしましょう。

 

と、こうすれば少なくとも持っている力は出しやすくなるはずです。

もちろん、元々持っている力が低ければ演奏もその程度のものにしかなりませんが、練習ではよかったのに本番が…という楽団は、恐らく直前まで練習させすぎ、情報を与えすぎです。

それなのに、成績が悪ければ練習時間が足りない、もっと練習を、と悪循環に陥ってしまいます。

そういった場合は、”消化”の時間を作るとよくなると僕は思います。

 

まあ、上記のようなことが出来ないケースもあるでしょうし、プロなら直前の変更も対応できますから話は変わってきますが、部活の吹奏楽なら顧問の裁量で上記の日程を徹底できるんじゃないかと思います。

一度やってみると面白い結果になると思いますよー。