バンドに近寄ってきた人がクラッシャーかどうか見分けがつかない場合(その人が真のクラッシャーであればあるほど見分けがつきません)、加入の条件として楽器の習得を課してみましょう。
いちばん手っ取り早いのはギターですが、場合によってはキーボード、あるいはベース、ドラムでも構いません。
例えば「サウンドに厚みを出したいから一応ギターも弾けるようになってほしい」とか、「歌だけじゃなくて曲の構造も理解してほしいから」などと言えばOKです。
余っている楽器があれば当面は貸してあげてもいいでしょう。
もし彼が音楽が好きでバンドに入りたいのなら、お金を貯めて買うか、借りたギターを一生懸命練習してくるはずです。
しかし、クラッシャーであれば楽器の習得をのらりくらりとはぐらかしながら、政治的テクニックを駆使してバンドになくてはならない存在に昇格しようとしてきます。
実際、前半で登場したクラッシャー(ヴォーカル)は正にこのタイプでした。
本当に音楽が好きなら楽器は弾けるようになりたいはずですし、そのためにお金や労力を厭わないはずです。
これはちょっとためらう人もいるかもしれません。
しかし、実際に家庭環境が荒れていたり、生活水準が低い人が普通の人間を目の敵にすることはよく見られることです。
特に家庭で虐げられていたり、過度に抑圧されていたり(他人から見てもお父さんお母さんがいかにもきつそう)するひとは、必ず外にはけ口を求めます。
そして、その相手には家庭で受けたことをそっくりそのまま復讐のように行う傾向が強いそうです。
また、バンド活動はそれなりに出費が要ります。
楽器を弾かないヴォーカルでも、スタジオ代やデモ音源のレコーディング代、移動費、食費、飲み代、そしてライブの赤字の補填などにお金は消えていきます。
もちろん、お金持ちでなくても普通の生活ができていればこれらはどうにかまかなえますが、生活水準が普通以下だとかなり苦しいでしょう。
そういった意味で、家庭が複雑で生活が苦しそうな人は避けた方が賢明です。