八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

アーティストを目指す人は同レベルでつるむのを今すぐやめよ 1


八幡謙介ギター教室in横浜

アーティスト、クリエイターを目指している人は、同レベルでつるむのは今すぐやめた方が賢明です。

なぜかというと、そこからは何も学べないし、何も生まれないからです。

 

同レベルの人とつるむと、確かに居心地はいいです。

認識も知識や技術もだいたい同じぐらいですし、話は弾むでしょう。

また、何かを創ったりパフォーマンスしたりするのも、同レベルだけにしんどい思いもせず、できない人にイライラすることもありません。

そうしていつしかそこから抜け出せなくなってしまいます。

それの何がダメなんだという意見もあるでしょうが、もちろんダメです。

 

人は、負荷をかけないと成長しません。

できないことに挑戦したり、分からないことを必死で調べたり、ありえない締め切りに必死に間に合わせようとしたり……。

しかし、同レベルのコミュニティでは、そういった負荷がかかることは発生しません(というか、そういった負荷やめんどうが発生しないように慎重に人を選んだ結果同レベルが集まったと言えます)。

ですから、同レベルとばかりつるんでいると当然成長できません。

また同レベルとつるんでいると認識の転換が起こりません。

周りにいる人はだいたい同じことを考え、感じ、行動しているので、自分の認識が180度変わってしまうような劇的な何かが起こりにくいです。

 

さらに、同レベルの集まり(特に日本人の)は必ず監視と拘束が生まれます。

誰か抜け駆けするやつがいないか、一人だけ上手くなるやつがいないか、いち早くプロになるやつがいないか常に相互に監視しあい、ちょっとでもその兆候が見られる仲間がいたら意識的に、あるいは無意識的に足を引っ張り、自分たちのレベルに留めておこうとするあのシステムです。

僕は10代でこれをされ、かなりしんどい思いをしました(結果的にそういう人と全て縁を切ったのですが、それはまた別の話)。

この監視と拘束のシステムは、実に巧妙にできています。

例えば、

 

・最初は何かを純粋に”好き”で集まった仲間なのに、一人だけその分野を専門的に学びはじめると、その人を疎んじる空気が生まれる。

・上から引き抜きをされた人を必死で留めようとする。そのとき、ここぞとばかりに”友達”とか”仲間”といった情に訴える言葉を駆使して、上に行こうとする人が無情な冷血漢であるかのように思わせる。

・他のグループ、特にレベルが上の人たちとの付き合いを暗に禁止する。

 

などなど。

全部が全部こうだとは言いませんが、よくよく考えてみたらそうだったかも、と思い当たることは誰でも、どんなジャンルでもあるでしょう。

 

もちろん、同レベルの人と一切会うな、仕事するな、という意味ではありません。

時々会って近況報告したり、SNSでやりとりしたり、たまには一緒に何かするのもいいでしょう。

しかし、常に同レベルでつるみ、何をするのもそのコミュニティを通して、というのはやめた方がいいです。

 

ではどうすればいいかというと、できるだけ上の人に構ってもらえるようにしましょう。

そうすれば自分が知らないことやできないことに触れる機会が増えます。

また、人によってはきちんと批判してくれたりもします。

同レベルのぬるま湯的なコミュニティではそういった意見を聞くのは無理でしょう。

上の人と付き合うのはしんどいですが、アーティストを目指すならそのしんどさ(自分に負荷をかけ続ける、という意味の)は一生付き合っていかなければいけないものです。

それができない人は、たぶんもう成長しないのでやめといた方がいいでしょう。

 

余談ですが、僕が言う「上の人に構ってもらう」というのは、いちアーティストとして向き合ってもらい、評価や批判をしてもらう、といったことを意味します。

ペコペコしてご飯をおごってもらったりお情けで仕事をもらうということではありませんので。

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