ジャズをやる人なら、インタープレイという言葉を耳にしたことがあるかと思います。
まずは語義から。
interplay<相互作用>
この場合のplayは、特に楽器を演奏することとは関係ないようです。
また、即興とも特に関係ないようです。
語義からすると、「インタープレイ」とは、『相互に作用すること』であると考えられますが、では、いったい「何が」「どのように」相互に作用することが「インタープレイ」であるのか?
僕はジャズをみっちりやってきた人間ですが、やはりこれも――脱力と同じで――具体的な話は誰からも聞いたことはありませんでした。
なので、ここで改めて考察してみたいと思います。
インタープレイには3種類あると考えられます。
以下それをご説明します。
ジャズで一般的に行われている、あるいは「インタープレイ」だとされているのがこれ。
あるコードに対し、それに合ったフレーズを即座に弾く、ある特徴的なリズムに対し、即座に反応する……といった現象です。
この場合、記号に対して記号で反応できればよしとされるため、後述する人間同士のぶつかり合いや、観客との関係性を無視しがちとなる。
記号うんぬんというよりも、演奏している人間同士の関係性。
ロックなどでは普通に観られる、演者同士が激しくエネルギーを発しながらぶつかり合い、相互に場を盛り上げていくもの。
ただし、方向性を間違えると内輪ノリになりやすく、観客無視に陥りやすい。
これも記号は特に関係なく、また、内輪ノリにもならず、演者が観客に対してきちんとパフォーマンスし、観客もそのエネルギーに呼応し、両者が場を盛り上げて異様な熱気や一体感をつくりだしていくもの。
アイドルのライブなどでは普通に観られるが、ジャズには皆無。
ジャズでいうところの「インタープレイ」とは、結局この1(記号と記号のインタープレイ)のことであると思われます。
なぜなら、それ以外の概念を聞いたことがないからです。
人間同士(演者同士)無視しあっているだけでなく、さらに観客までも無視し、記号合わせに没頭しているのが現代におけるジャズの演奏です。
なるほど、だからつまらないんですねw
そして、ロックやアイドルのコンサートに人が集まる理由も改めて判明しました。
彼らは演者同士、そして何より観客との「インタープレイ」をきっちりと行っているからです。
そしてもう一つわかったことは、ジャズでいう「インタープレイ」とは、3種類ある中で、最低レベルのものでしかないということです。
もちろん、技術的には難しいですよ。
誰でもできるものではないということは僕もよくわかっています。
しかし、ただ記号だけ合わせて演者同士無視しあっていたり、観客を無視するというのは、音楽、もっと言うとエンタテイメントとしては及第点以下ではないでしょうか?
そんな(記号合わせだけの)「インタープレイ」が高尚だとは僕には思えないし、目指すべきものだとも思えません。
それよりも、ロックやアイドルがステージで行う(観客との)「インタープレイ」に何かを学ぶべきでしょう。