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ジャズギターがつまらない理由 11 他楽器への対抗意識から生まれる取って付けたような演奏

これまで、ジャズギターはそもそもジャズの中でポジションが中途半端であることや、機能的に他の楽器と同じようなことから「なんでもできる」と勘違いしやすい、ということを書いてきました。
さらにジャズギタリストには、なぜか他楽器への対抗意識が強いということをご説明したいと思います。


僕が音大にいた2000年代前半には、ジャズギタリストの間でピアノへの対抗意識が非常に強く、「今やギターの方がピアノよりも高度なヴォイシングが可能である」といった議論や研究が盛んでした。
今は随分落ち着いたように見えますが、それでも「ピアノのような」「ピアノを越える」ヴォイシングの研究はまだ根強いのではないかと思います。
また、ジャズギターのレッスンでは、サックスなどの管楽器のラインを勉強することが推奨されています。
恐らく、ギターの手クセに留まらずにもっと可能性を広げましょう、という趣旨なのでしょう。


一見すると、真面目で勤勉なように思えますが、実はそうでもありません。
こうして他楽器を学ぶ背景には、それらへの対抗意識があるからです。
では、なぜジャズギターは他楽器に対抗意識を燃やすのでしょうか?
それは既に述べたとおり、どの分野でも絶対に勝てない楽器があるからです。
テーマやソロでは管楽器に劣るし、伴奏ではピアノに勝てません、リズムではもちろんベースやドラムには及ばない……
そうした状況を打破せんとして、自然と対抗意識が生まれてきたのでしょう。
僕もジャズギターを弾く人間として、気持ちは分かります。
しかし、対抗意識を持って他楽器を研究し、そのアプローチを取り入れていくと、どんどんギターらしさが薄れていきます。

確かに、ピアノのような複雑なヴォイシングや、サックスのような入り組んだラインをギターで弾くと、「ギターでそんなことができるのか!」という新鮮みはあります。
しかし、そこにはどうしたって取って付けたような感じが残ってしまいます。
例えば、ある職業の制服を借りてき、まったく関係のない人に着せてみると、必ず違和感が出ますよね。
それと同じで、他楽器のラインやハーモニーだけを借りてきても、また、それをどれだけ練習し、体に染みこませても、やはりどうしたって借り物感は出てしまいます。
現代ジャズギターから感じる違和感は、そこではないかと僕は思います。
50年代のジャズギターがいつまでも色あせないのは、そういった借り物感がない、ジャズギターにふさわしい演奏をしているからではないでしょうか?
しかし、なぜか現代のジャズギターでは、ギターらしい演奏をすると「古い」と言われ評価されません。


では、ジャズギター界で評価されている演奏で集客できるのか、CDが売れるのかというと、むしろそっちの方が世間的な評価や感心は低いです。
当然といえば当然でしょう。
ジャズギターは、いい加減他楽器への対抗意識を捨て、原点回帰するべきではないでしょうか?
「ギターの可能性」という方向には結局何もなかった、と皆気づいているはずです。
ギターであんなこともできる、こんなこともできる、ではなく、これはギターでしかできない! という価値感を打ち出せたとき、ジャズギターは往年の輝きを取り戻せるのではないかと思います。

 

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ジャズギターがつまらない理由

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