八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介が音楽やギターについてつづるブログ

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はじめてのジャズ

はじめてのジャズ 44 プレイヤーとしてもリスナーとしてもジャズに入るのが何故難しいか

このシリーズは「ジャズは難しい」という前提に立って話していくという趣旨ではじめたのですが、その根幹となる問題がちょっとわかった気がしたので書いてみます。 ジャズを習いにくる生徒さんは、どこかの時点で必ずといっていいほど「何を聞いたらいいのか…

はじめてのジャズ 43 セロニアス・モンク考

セロニアス・モンクの功績(ビバップ誕生に一役買ったり、数々の名曲を生み出したり)はいくつか記事を読めば理解できますが、彼の演奏については初心者はもちろんジャズの玄人でもなかなか理解が難しいです。 僕もモンクの何がいいのか、何が凄いのかと訊か…

はじめてのジャズ 42 アドリブの何を聴けばいいか

ジャズ初心者の人から、「アドリブの何を聴けばいいのかわからない」とよく言われます。

はじめてのジャズ41 ジャズ独特の美しさは崩壊の手前にしかない

美というものは、どれも同じようでいて、実は生成される過程によって様相が違ってきます。 ある特定の美に到達しようとする場合、一般的に美に到達できるとされる方向と真逆に向かって進んでいかなければならないケースもあります。 ジャズがそれです。 一般…

ジャズをやるということ ジャズ初心者、入門者に一度考えて欲しいこと

ここ最近ジャズに関する質問や、ジャズを習いたいという生徒さんが増えてきたので、一度初心に立ち返ってジャズをやるということはどういうことかを書いてみたいと思います。 ここでいう「ジャズをやる」とは、全てのレベル、全ての目的に共通することです。…

新刊「はじめてのジャズ」刊行

新刊「はじめてのジャズ」がKindleにて刊行されました。 はじめてのジャズ 作者: 八幡謙介 発売日: 2018/06/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 本ブログの読者はご存じ「はじめてのジャズ」シリーズ1~40までを加筆訂正した内容となって…

はじめてのジャズ40 ジャズギター入門としてのジョージ・ベンソン「BREEZIN'」

仕事柄ジャズギター入門として最適なアルバムは?とよく訊かれるのですが、だいたいケニー・バレルの「Midnight Blue」と答えています。 Midnight Blue アーティスト: Kenny Burrell,Ray Barretto 出版社/メーカー: Blue Note Records 発売日: 1999/02/04 メ…

はじめてのジャズ 39 プレイヤー視点での「サジェスチョン」

前回、ジャズ特有の「サジェスチョン」について書きました。 k-yahata.hatenablog.com リスナーとしてはただ楽しんだり感心すればそれでいいんですが、プレイヤー視点で捉えると、きちんとサジェストできるかどうかはジャズミュージシャンになれるかどうかの…

はじめてのジャズ 38 ジャズを勉強してみよう⑦ サジェスチョンを聴きとろう

ジャズの世界でしばしば「サジェスチョン」という言葉が使われます。 suggestion 提案、提言 ここでは「提案」で統一しましょう。 以下、提案する=サジェストする、と表現します。 さて、ではジャズの演奏の中で誰が何をサジェストし、そこにどういう効果が…

はじめてのジャズ 37 ソニー・ロリンズ考

ジャズのアドリブについてある程度理解が進むと、僕は必ずソニー・ロリンズの話をします。 というのは、星の数ほどいるジャズミュージシャンで、おそらく彼が一番ギリギリのアドリブをしているからです。 そういった意味で、ロリンズは最もジャズらしいイン…

はじめてのジャズ 36 ドラムの変化を聞こう

ジャズといえば管楽器やヴォーカル、ギターなどを思い浮かべるかもしれませんが、ジャズを一番ジャズたらしめているのはドラムです。 そのドラムが何をやっているのかを聴けるようになるとジャズへの理解は一段と深まります。 1、楽器の使い分けを聴こう ド…

はじめてのジャズ 35 フリージャズって何やってんの?

ちょっと話は飛びますがフリージャズについて解説しておきます。 フリージャズはそこそこ歴史のある音楽なのですが、その特異な音楽性から日本ではどうしても色眼鏡で見られてしまいます。 「楽器がちゃんと弾けないからめちゃくちゃやってるだけ」という中…

はじめてのジャズ 34 楽曲解説 ①ベースの2フィールからのウォーキングを聴こう

では実際の楽曲からジャズの構造や聴き所を解説していきたいと思います。 今回はジャズベースの典型的なパターンを聴いてみましょう。 これを理解することで楽曲の構造をひとつ理解でき、聴き所が増えます ではまず「2フィール」と「ウォーキング」について…

はじめてのジャズ 33 ジャズを”勉強”してみよう ⑥関係性を聴こう

ジャズのアドリブは全て個人技のようでいて、実は関係性から生まれてくる瞬間も多々あります。 人と話していて、別にそういうつもりはなかったのに空気や流れで思いもしなかったことをつい言ってしまった、相手が聞き上手だからつい本音をぽろりと出してしま…

はじめてのジャズ 32 ジャズを”勉強”してみよう ⑤マイルス・デイビスは入門には向かない

ジャズを”勉強”しはじめた人は、かなり初期の段階から間違いなくマイルス・デイビスが気になっているはずです。 何度も何度も名前を目にするし、日本では「帝王」とか呼ばれているし(この呼び方自体なんか変なんですが)、アルバムもことあるごとに紹介され…

はじめてのジャズ 31 ジャズを”勉強”してみよう ④特定の楽器に注意して聴く

ジャズという音楽は、もちろんただなんとなく聴いて楽しむこともできますが、ひとつの楽器が何をやっているのかをじっくり注意して聴いていくという楽しみ方もあります。 そうすることで各楽器の役割やプレイヤーの個性が見えてきます。 これはジャズミュー…

はじめてのジャズ 30 ジャズを”勉強”してみよう ③ヴォーカルジャズを聴こう

一般的に、ジャズはインスト(楽器のみの演奏)というイメージが強いかもしれませんが、ジャズの本質は歌にあります。 ジャズをはじめて間もない人はどこか歌を軽視する傾向がありますが、経験と共にいつか必ず歌の重要性を理解するようになります。 おそら…

はじめてのジャズ 29 ジャズを”勉強”してみよう ②アーティストから

ジャズのアーティストは、他と違い様々なタイプの演奏活動を行います。 ざっくり言えば、リーダーとサブ(サポート、サイドマン、などなど)の二種類があります。 また、あるアーティストのアルバムに1曲だけ参加しているケースもあります。 リーダーであれ…

はじめてのジャズ 28 ジャズを”勉強”してみよう ①楽曲から

ジャズはいろんな意味でロックやポップスなどとはシステムが違います。 だからとっつきにくいし、勉強しないと分からないことが多いというのが事実です。 また、今流行っている音楽ではないので放っておいても情報は入ってきません(特に亡くなったミュージ…

はじめてのジャズ 27 ジャズに見る<逸脱> ⑥ジャンルの<逸脱>

ロックには”ミクスチャー”というジャンルがあります。 今でもそう呼ぶのかどうかは分かりませんが、90年代から台頭しはじめたロックと他のジャンルを積極的に混ぜるジャンルです。 Rage Against The MachineやLimp Bizkitあたりがその走りで、日本だとDrag…

はじめてのジャズ 26 ジャズに見る<逸脱> ⑤アレンジの<逸脱>

ジャズの楽曲において最も分かりやすい<逸脱>はアレンジではないでしょうか? それぐらい、ジャズミュージシャンは原曲から<逸脱>したアレンジを好みます。 そうした傾向は1950年代にはもう見えていました。 また、「え? この曲をジャズでやるの?…

はじめてのジャズ 25 ジャズに見る<逸脱> ④テーマの<逸脱>

ジャズにおける<逸脱>は、テーマにも顕著に表れています。 テーマについてはこちらを参照してください。 ざっくり言うと、楽曲の”歌”の部分です。 k-yahata.hatenablog.com ジャズにおいて、テーマを楽譜通りに演奏し歌うことは絶対にありません。 絶対、…

はじめてのジャズ 24 ジャズに見る<逸脱> ③伴奏

ジャズ以外の音楽でも、ソロはアドリブで毎回違ったことをやる人はいます。 また、そういった演奏に対して理解のある人も多いでしょう。 しかし、伴奏は毎回必ず同じことをやるケースがほとんどです。 ロックミュージシャンに伴奏を毎回自由にやっていいよと…

はじめてのジャズ23 ジャズに見る<逸脱> ②ずれるタイム

では今度は”タイム”について考えてみましょう。 ”タイム”とは楽曲のテンポのことです。 各楽器がそのテンポに合わせて演奏しないとむちゃくちゃになってしまうので、タイムに正確であることは音楽を演奏する必須条件ともいえます。 ただ、正確であればあるほ…

はじめてのジャズ 22 ジャズに見る<逸脱> ①アウト

ではここから、ジャズの楽曲においてどのような<逸脱>が行われているのかを具体的に解説していきましょう。 まずはジャズをジャズたらしめている要素である”アウト”についてです。 ”アウト”とは、わざと音程を外して緊張感や浮遊感を出すジャズ独特のテク…

はじめてのジャズ 21 ジャズの精神 ⑥ジャズミュージシャンこそ”ゲスの極み”

ジャズをまだよく知らない人は「ジャズミュージシャン」にどんなイメージを抱いていますか? お洒落、知的、エレガント、大人…… おそらく、いいイメージの方が多いでしょう。 しかし、実際は真逆です。 ジャズミュージシャンこそ”ゲスの極み”ですし、ミュー…

はじめてのジャズ 20 ジャズの精神 ⑤ジャズにおける譲り合いとは?

ジャズにおいて自己主張は非常に大切な要素です。 そもそも、主張したいことがあるからアドリブをするわけで、それがなければジャズをやる意味はありません。 さらにその自己主張は<逸脱>することをよしとするものであると本シリーズでは述べてきました。 …

はじめてのジャズ 19 ジャズの精神 ④ジャズとルール

<逸脱>がジャズの精神であるという僕の持論には、ジャズミュージシャン含め多くの方が納得してくださっているように思えます。 一方で、「ジャズにもルールがある、そのルールを破って<逸脱>するのはめちゃくちゃなだけ」と言う人もいます。 ちょっと難…

はじめてのジャズ 18 ジャズの精神 ③ジャズは<逸脱>を楽しむ音楽

ジャズをむやみに奴隷制度と結びつけずに、黒人精神としての<逸脱>という文脈で捉えると、我々日本人にも理解しやすくなります。 逆にこの<逸脱>という精神を忘れ、日本人の常識や価値基準を当てはめてしまうと、ジャズはいつまでもよくわからない音楽に…

はじめてのジャズ 17 ジャズの精神 ②ジャズと奴隷制度を結びつけるとむしろ混乱する

日本人がジャズについて解説するとき、必ずといっていいほど彼らの先祖が奴隷であったことに触れ、その悲しみや憤りが魂の叫びとなって噴出したのがジャズであると安易に結びつけられています。 確かに、アフロアメリカンの先祖は奴隷としてアフリカから連れ…